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ホームセンター2000円の長靴が店で「税込1万円」→店員「値段は自由」→スマホで価格見せた結果…
2026/03/26

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休日の午後、私は近所の小さな商店街を歩いていた。
特に目的はなく、ただぶらぶらと店を覗きながら散歩していただけだ。

その途中、古い作業用品店の前で足が止まった。

店先には長靴が並んでいる。
農作業や現場仕事でよく見る、普通のゴム長靴だ。

その中の一足に、私は思わず目を疑った。

「……え?」

値札には大きく赤い字でこう書かれていた。

「¥9100 税込¥10000」

私はしばらくその値札を見つめていた。

いや、待て。

これ、どう見ても普通の長靴だ。

しかも、よく見ると見覚えがある。
ホームセンターでよく売っているタイプだ。

思わずスマホを取り出して検索してみる。

同じメーカー、同じ形。

表示された価格は――

1980円。

私は思わず笑ってしまった。

「いやいやいや…」

思わず店の中に入った。

レジには年配の店主が立っている。

私は長靴を指さして聞いた。

「これ、本当に1万円ですか?」

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店主は特に悪びれる様子もなく答えた。

「そうですよ」

「税込みで?」

「ええ」

私は値札を指さした。

「でもこれ、ホームセンターだと2000円くらいですよね?」

すると店主の表情が少しだけ変わった。

「うちはうちの値段です」

その一言で会話が終わりそうになった。

だが、そのやり取りを近くで見ていた男性客が口を挟んだ。

「え、そんなに高いんですか?」

私はスマホの画面を見せた。

「同じやつ、1980円です」

その男性は目を丸くした。

「えっ……」

店主は少しムッとした顔で言った。

「ネットと店は違います」

私は落ち着いて言った。

「いや、ネットじゃなくてホームセンターです」

さらに続けた。

「しかもこの値札、計算も合ってませんよ」

店主は眉をひそめた。

私は値札を指さした。

「9100円の税込は10010円ですよね?」

店の空気が一瞬止まった。

横にいた男性客が思わず吹き出した。

「ほんとだ…」

店主は何も言わない。

すると後ろで商品を見ていた女性が声を上げた。

「私それ買おうとしてたんですけど…」

女性は長靴を棚に戻した。

「やめます」

その一言で空気が一気に変わった。

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男性客も言った。

「俺もやめとこう」

店主の顔が少し赤くなる。

私は静かに言った。

「値段は店の自由です」

店主は小さく頷いた。

「でも」

私は続けた。

お客さんが知らないと思って値段をつけるのは、さすがにやりすぎじゃないですか?

店の中は静まり返った。

店主はしばらく黙っていたが、やがて値札を見つめて小さくため息をついた。

そして――

値札を外した。

赤いマジックで書かれた「¥9100」が、手の中でくしゃっと曲がる。

店主はぼそっと言った。

「……値段、考え直します」

私はそれを聞いて、軽く会釈した。

店を出ると、さっきの男性客が笑いながら言った。

「危うく1万円の長靴買うとこだった」

女性も苦笑していた。

「ほんと助かりました」

私は肩をすくめた。

「いや、ただ気になっただけです」

そのまま歩きながら思った。

もし誰も気づかなかったら。

あの長靴は今日も

「税込1万円」

のまま売られていたのかもしれない。

そして私は少し笑ってしまった。

だってさっきの店で、一番安かったのは――

長靴じゃなくて、真実だったからだ。

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