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「ここ、私有地です」自宅の敷地を無料駐車場のように使った白い車。持ち主は謝るどころか「すぐ戻るつもりだった」と逆ギレ。私が監視カメラ画像と駐車時間を送った瞬間、電話口の態度が一変し…
2026/07/02

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祭りの日の夜、家に戻った瞬間、私は門の前で足が止まった。

自宅の敷地の真ん中に、見知らぬ白い車が堂々と停まっていた。

そこはコインパーキングじゃない。

うちの敷地だ。

しかも停め方がひどかった。

車の前は通路をふさぎ、左側は倉庫の出入口、右側は私の車を出す動線にかかっていた。

少しでも考えれば、ここに停めたら家の人が困ると分かる場所だった。

でも、車の持ち主はいない。

連絡先もない。

「ちょっとだけ」

「すぐ戻るから」

そういう言い訳が、聞く前から頭に浮かんだ。

私は今まで何度も我慢してきた。

祭りの日やイベントの日になると、勝手に家の前へ停める人が出る。

注意すれば「少しだけなのに」と不満そうな顔をされる。

こちらが迷惑しているのに、なぜかこちらが心の狭い人間みたいに扱われる。

でも、その日は違った。

もう我慢しないと決めた。

怒鳴らない。

車にも触らない。

傷もつけない。

ただ、自分の敷地を自分のものとして使うだけ。

私は家族の車を一台、白い車の左側に停めた。

もう一台を右側に停めた。

どちらも自分の敷地内。

タイヤを内側に切り、出入口をふさがない範囲で、白い車だけが簡単には動けない位置にした。

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触れていない。

壊してもいない。

ただ、無断で入り込んだ場所から、勝手には出られない状態になっただけ。

そのまま私は家に入った。

監視カメラの映像を保存し、白い車が入ってきた時刻、停めた位置、私有地の表示が見える写真もまとめておいた。

夜になって、電話が鳴った。

知らない番号だった。

出ると、いきなり強い声が飛んできた。

「ちょっと、車出せないんですけど」

私は静かに聞いた。

「どちら様ですか?」

相手は当然のように言った。

「そちらの敷地に停めてる車の者です。すぐ戻るつもりだったんで、車どかしてください」

その言い方に、少し笑ってしまった。

謝罪より先に、命令。

私は淡々と答えた。

「ここ、私有地です」

相手は不機嫌そうに言った。

「いや、祭りの日だし、ちょっと停めただけですよ」

「ちょっとでも無断駐車です」

「こんなのやりすぎでしょ。普通、出してくれますよね?」

私はスマホに保存していた画像を送った。

車が敷地に入ってくる映像。

私有地の表示。

通路をふさいでいる写真。

停車からの経過時間。

電話の向こうが、急に静かになった。

さっきまでの勢いが、一瞬で消えた。

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私は続けた。

「あなたが停めたせいで、うちの車も倉庫も使えませんでした」

「……いや、その、すみません」

ようやく出た謝罪は、ひどく小さかった。

でも、まだ足りない。

私は言った。

「今から来てください。直接謝ってください。それと、二度と無断で敷地に停めないと一筆書いてもらいます」

相手は一瞬黙った。

「そこまでしないとダメですか?」

「必要です。嫌なら、警察に相談します」

その言葉で、完全に態度が変わった。

しばらくして、車の持ち主が現れた。

最初の電話の勢いはどこにもなかった。

周りには、騒ぎに気づいた近所の人たちも何人か出てきていた。

白い車の持ち主は、私の前で頭を下げた。

「すみませんでした。二度としません」

私は用意していた紙を出した。

無断駐車をしたこと。

敷地の通行を妨げたこと。

今後、同じ行為をしないこと。

それを書かせ、名前と連絡先も記入してもらった。

それを確認してから、私は自分の車を動かした。

白い車は、ようやく出ていった。

去り際、運転席の男は一度だけこちらを見た。

もう文句は言わなかった。

近所の人が小さく言った。

「よくやったね。うちも何度かやられて困ってたんだよ」

その一言で、胸の奥がスッと軽くなった。

私は仕返しをしたわけじゃない。

誰かを困らせたかったわけでもない。

ただ、自分の場所を守っただけ。

私有地に勝手に入って、他人の動線をふさぎ、戻ってきたら当然のように出してもらえると思っていた。

その考え方が間違っていた。

出られなくなったのは、私のせいじゃない。

無断で停めた瞬間に、自分で選んだ結果だ。

あの日から、うちの敷地入口には新しい表示をつけた。

「私有地につき無断駐車禁止」

大きく、はっきりと。

それ以来、祭りの日でも勝手に停める車はなくなった。

私はもう、黙って我慢する側には戻らない。

お願いして守るだけでは足りない時がある。

線を引く。

記録を残す。

必要なら、きちんと向き合う。

私有地は、誰かの“ちょっとだけ”を受け入れるための場所じゃない。

守ると決めた人間が、守ればいい。

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