「なんやオバハン」公園で次男をこづいてた中学生は、私の顔を見るなりそう笑いました。
しかも、「オレの親、柔術の先生やからな」とドヤ顔。
……いや、だから何?人の子に手出していい理由になると思ってる?
近所の人に呼ばれて公園へ行くと、次男は明らかに怯えていました。
話を聞くと、遊んでいたところを突然絡まれ、肩を押されたり、頭を軽く叩かれたりしていたらしい。
しかも相手は複数。
そのくせ、私が来た瞬間だけヘラヘラ。
「あー別に本気じゃないし?」「ちょっと遊んでただけやし?」
……このタイプ、ほんと嫌い。
自分より弱そうな相手には強気。でも大人が来た瞬間だけ“冗談でした感”を出す。
私は次男を後ろに下げて、その中学生の前に立った。
するとそいつ、ニヤニヤしながらこう言った。
「オレの親、柔術の先生やから」「殴ったらマジでヤバいよ?」
その瞬間、周囲の空気が止まった。
でも私は、むしろ笑ってしまった。
「おい、よく聞け」
「キミの父親より、たぶん私の方が強い」
「あと、キミなら2秒で制圧できる」
中学生の顔が、一瞬で固まった。
さっきまでヘラヘラしてたのに、急に目が泳ぎ始める。
私はそのまま続けた。
「まず息子に謝れ」
「謝らないなら、今から家行くぞ」
すると、後ろで笑ってた他の子達まで黙った。
多分、“本気の大人”だと気づいたんだと思う。
私は別に、怒鳴り散らしたかったわけじゃない。
でも、子どもってちゃんと見てる。
ここで親が逃げたら、次男はずっと怖いままだ。
だから、絶対に引かなかった。
すると数時間後。
インターホンが鳴った。
ドアを開けると、昼間の中学生と、その親。
父親は青い顔をしていた。
「本当に申し訳ありませんでした……」
隣で中学生も、さっきとは別人みたいに小さくなっていた。
しかも父親、開口一番こう言った。
「柔術をやってるのに、こんな事をして……恥ずかしいです」
その瞬間、私は少しだけ安心した。
ちゃんと叱れる親だった。
中学生は最後、泣きそうな顔で次男に謝った。
次男も、やっと肩の力が抜けたみたいだった。
帰り際、その父親が深く頭を下げながら言った。
「二度とこんな事はさせません」
私はそこで初めて、「もう大丈夫だな」って思えた。
――結局。
一番強いのって、拳じゃない。
“自分の子どもを守る覚悟がある親”なんだと思う。