朝から、私は少しだけ気合いが入っていた。
狙いは、数量限定の「大人の図鑑シール」。
前から欲しかったシリーズで、今回の販売は整理券制。
つまり、早く来て、整理券をもらって、番号順に案内される。
ルールはシンプルだった。
私は指定時間の5分前には店の前に着いていた。
手には整理券。
番号は、3番。
かなりいい番号だ。
整理券には、はっきり書かれていた。
「番号順に列のご案内を致します」
私はその文字を何度も見た。
うん、大丈夫。
3番なら、普通に考えて買える。
店の前には、同じように整理券を持った人たちが少しずつ集まっていた。
みんな静かに待っている。
誰かが割り込むでもなく、押し合うでもなく、きちんと時間を守っている。
こういう限定販売で一番大事なのは、公平さだと思う。
早く来た人が整理券をもらう。
番号順に案内される。
買える数も決まっている。
だからこそ、みんな納得して並ぶ。
10時35分。
いよいよ案内時間になった。
私は整理券を握り直した。
「3番だから、すぐ呼ばれるはず」
そう思って待っていた。
ところが、店員さんがこちらへ来て、少し困ったような顔で言った。
「すみません。もうシールは終了しました」
一瞬、意味が分からなかった。
「え?」
私は思わず聞き返した。
「終了って、どういうことですか? まだ案内時間になったばかりですよね?」
店員さんは視線を少しそらした。
「先にご案内した方で、在庫がなくなってしまいまして……」
その瞬間、頭の中が一気に冷えた。
いやいやいや。
待って。
整理券3番。
5分前到着。
番号順に案内と書いてある。
1人1点とも書いてある。
それで、なぜ3番の私の前で終わる?
どう考えてもおかしい。
私は整理券を店員さんに見せた。
「これ、3番ですよね?」
「はい……」
「番号順に案内と書いてありますよね?」
「はい、ただ……」
「ただ、何ですか?」
店員さんは言葉に詰まった。
周りにいた人たちも、こちらを見始めた。
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