コンビニでレジ待ちをしていた時のこと。
前に並んでいたおじさんが、若い店員さんに向かって、少し強めの声で言った。
「セッター、セッター」
店員さんは一瞬だけ棚の方を見て、それから丁寧に返した。
「すみません、番号でお願いします」
たばこを買う時によくあるやり取りだ。
銘柄名で通じる店もあるし、番号で言うようにお願いしている店もある。
特に今は種類も多いし、似たような名前の商品も多い。
番号で言った方が早いし、間違いも少ない。
普通なら、そこで番号を言えば終わる話だった。
でも、そのおじさんは急に不機嫌になった。
「セッターもわかんねぇのかよ、ガキがよ」
店員さんの手が止まった。
顔は笑おうとしているけど、明らかに困っている。
それでも声を荒げるわけでもなく、もう一度だけ言った。
「申し訳ありません、番号でお願いできますか」
するとおじさんは、そこから説教を始めた。
「昔はな、そんなもん言わなくても通じたんだよ」
「コンビニで働いてて、それくらい覚えとけよ」
「最近の若いのは本当に使えねぇな」
後ろに並んでいる人たちの空気が、だんだん重くなっていく。
誰も何も言わない。
店員さんも謝るしかない。
でも、レジは止まったまま。
僕も最初は我慢していた。
正直、早く買って帰りたかった。
たばこの名前が通じるか通じないかなんて、こちらには関係ない。
でも、若い店員さんが何度も頭を下げているのを見て、さすがに腹が立った。
だから、おじさんに聞いた。
「セッターですか?」
おじさんは、少し得意げにこっちを見た。
「そうだよ。こいつがセッターもわかんねぇんだよ」
僕は言った。
「番号で言わない理由はなんですか?」
おじさんは一瞬、黙った。
そして、すぐに言い返してきた。
「セッターでわかるだろ」
僕はもう一度、同じことを聞いた。
「番号で言わない理由はなんですか?」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]