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「東京に行ったら縁を切る」…卒業旅行を止める父に、母と息子が決行した夜
2026/03/23

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「卒業旅行で東京に行きたい。そのためにお金を貯めてる」

息子がそう言い始めたのは、今から1年以上前だった。

中学の友達と、卒業したら東京へ行く。
そのために少しずつお小遣いを貯めて、バイトはできないから節約もして。

勉強も頑張っていた。

「受験終わったら、みんなで行くんだ」

その言葉を励みにしていたのを、私はずっと見ていた。

そして――夫も、見ていたはずだった。

最初は何も言わなかった。
息子が計画を話しても、夫は特に反対する様子もなかった。

だから私も、息子も、当然行けるものだと思っていた。

ところが。

出発の数週間前になって、突然夫が言った。

「ダメだ」

息子が驚いて聞き返す。

「え?」

夫は続けた。

「東京なんか行くな」

さらに、信じられない一言。

「もし行ったら――縁を切る。もう二度と会わない」

空気が凍った。

冗談ではない。

完全に本気の声だった。

私は思わず聞いた。

「…なんで今さら?」

だって、この旅行は1年前から決まっていた。

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息子がずっと準備してきたのも知っている。

今になってそんなことを言う理由が分からない。

問い詰めて返ってきた答えは、正直言って耳を疑うものだった。

まず一つ目。

「中学生が友達同士で旅行なんて早すぎる」

…いや、それは分かる。

親として心配する気持ちは理解できる。

でも、それなら。

1年前に言うべきじゃない?

予約も済んで、もう出発直前の今?

私は言葉を飲み込んだ。

そして二つ目の理由。

「友達と行くくらいなら、俺と行け」

一瞬、意味が分からなかった。

卒業旅行って、何のためのもの?

中学生活を一緒に過ごした仲間と、最後に思い出を作る。

それが卒業旅行じゃないの?

父親と旅行するイベントじゃない。

私は思わず黙ってしまった。

そして三つ目。

これが一番ひどかった。

「だいたい、一緒に行くあいつが前から嫌いだった」

……は?

つまり、気に入らない友達がいるから行かせない?

息子の人間関係まで、父親の好みで決めるの?

正直、怒りで言葉が出なかった。

息子は普段、父親に逆らわない子だ。

でもこの時だけは違った。

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「俺、行く」

小さな声だったけど、はっきりしていた。

その目は、今まで見たことがないくらい真剣だった。

私はその瞬間、決めた。

今回は、100%息子の味方をする。

夜行バスの予約はすでに済んでいる。

あとは当日、出発するだけ。

問題は――

夫だった。

出発の日。

息子はキャリーケースを準備して、奥の部屋に隠した。

夫は普段、仕事のあと飲みに行く。

帰宅はだいたい深夜0時過ぎ。

その時間なら、息子はもうバスに乗っている。

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