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「ママ、今日の試合までに届くよね?」日本代表のユニフォームを待つ息子。ところがポストには不在票が一枚…諦めかけた私が、そこに書かれた手書きの一言を見て息をのんだ
2026/06/30

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「そんなの、もう間に合わないだろ」

夫がそう言った直後、玄関のチャイムが鳴った。

その瞬間、リビングにいた息子が、弾かれたように立ち上がった。

29日の夜だった。

日本代表とブラジルの試合がある日。

息子は朝からずっと落ち着かなかった。

「ママ、ユニフォーム今日届くよね?」

「夜までに着られるよね?」

何度も聞かれるたびに、私は「たぶん大丈夫」と答えていた。

本当は、私のほうがずっと不安だった。

だって、注文したのは一昨日の28日。

息子が突然、「日本代表のユニフォームを着て試合を見たい」と言い出して、私は慌ててadidasで購入した。

もっと早く買っておけばよかった。

そう思いながらも、発送通知を見て少し安心していた。

29日の午前中に届く予定だったからだ。

ところが、その午前中に限って、私はどうしても外せない用事で家を出ていた。

帰宅してポストを見た瞬間、心臓が嫌な音を立てた。

不在票が入っていた。

「あ……やってしまった」

手に取った瞬間、体の力が抜けた。

息子にどう言えばいいのか分からなかった。

リビングに入ると、息子はすぐに私の顔を見た。

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「届いた?」

私は一瞬、言葉に詰まった。

「ごめん、午前中に来てくれたみたいなんだけど、受け取れなかった」

息子は少しだけ目を丸くした。

でもすぐに笑った。

「そっか、じゃあ今日は前の服で見るよ」

その言い方が、逆につらかった。

本当はがっかりしているのに、私を責めないようにしているのが分かったから。

その横で、夫がスマホを見ながら冷たく言った。

「そもそも前日に買うのが無理なんだよ」

私は黙った。

正論だった。

でも、その言い方に胸がざらついた。

夫は続けた。

「配達員さんだって忙しいんだから、そんな子どものユニフォーム一枚のために動くわけないだろ」

息子が少しうつむいた。

私はその顔を見た瞬間、黙っていられなくなった。

「一枚の服じゃないよ」

夫が顔を上げた。

「息子にとっては、今日を楽しみにする理由だったんだよ」

夫は少し鼻で笑った。

「でも現実は現実だろ。次から早く買えばいいだけ」

たしかに、私が遅かった。

それは分かっている。

でも、だからといって、今できることを諦める理由にはならない。

私はもう一度、不在票を見た。

すると、そこに手書きの文字があることに気づいた。

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印刷された定型文ではなかった。

走り書きのような文字で、こう書かれていた。

「今日必要だと思われて、電話ください!」

私は思わず息をのんだ。

配達員さんは、箱に書かれた「adidas」や、宛名を見て気づいたのかもしれない。

もしかしたら、中身がユニフォームだと分かったのかもしれない。

そして、この日が試合の日だと知っていたのかもしれない。

もちろん、本当のところは分からない。

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