まさか自分が、こんな経験をするとは思っていませんでした。
深夜2時。
ただ、夫のスマホの画面を消してあげようと思っただけでした。
夫はもう寝ていて、スマホだけが光ったまま。
その瞬間、消える前に一行のメッセージが目に入りました。
——「着いたよ。どこにいる?」
一気に頭が真っ白になりました。
スマホにはロックがかかっておらず、迷う間もなく、そのまま画面を見ていました。
甘い言葉も、愛情表現もありません。
あるのは日時、場所、そしてすでに完了している送金履歴。
感情よりも、帳簿を見ているようなやり取りでした。
そのとき、泣きもしなければ、夫を起こすこともしませんでした。
ただ、はっきり分かったことがありました。
これは一度きりじゃない。
そして、偶然でもない。
翌朝、夫はいつも通り起きて、子どもの世話をし、
「卵いる?」と何事もなかったかのように聞いてきました。
その「普通さ」が、逆にとても怖かった。
初めて、隣にいるこの人が少し遠く感じました。
その日の午後、私はそのアプリをダウンロードしました。
すぐに夫のアカウントが見つかりました。
アイコンは私が撮った写真。
プロフィールには「仕事が忙しいけど、気軽に知り合いたい」と書かれていました。
最近のやり取りを辿り、
あの深夜2時にメッセージを送ってきた相手を見つけました。
少し迷ってから、私は一文だけ送りました。
「はじめまして。彼の妻です。」
しばらく返信はありませんでした。
そして、返ってきた言葉はこうでした。
「結婚しているなんて知りませんでした。」
なぜか、その瞬間、気持ちは落ち着いていました。
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