「買った覚えがないのに、“未払い15,840円”の督促状が届いた。」会社名も金額もリアルで一瞬信じかけたが、公式に確認したら詐欺だった。その後、私はその番号に電話した。
最初に見たとき、正直「やばいかも」と思った。
封筒もそれっぽい。
中の紙もちゃんとしたフォーマット。
しかも書かれている会社名は実在する。
金額は15,840円。
高すぎない。だからこそリアルだった。
さらに厄介なのは、細かいところまで作り込まれていたことだ。
商品名の記載。
支払期限。
問い合わせ先の電話番号。
ここまで揃っていると、疑うより先に「もしかして自分が忘れてる?」という感覚になる。
私は一度、スマホの購入履歴を確認した。
メールも遡った。
クレジットカードの明細も見た。
やっぱり、ない。
それでも完全には安心できなかった。
「もし本当に未払いだったら?」
その不安を狙っているのが、この手口だと後で気づく。
ここで一番危ないのは、
焦ってそのまま書いてある番号に電話してしまうこと。
私は一度手を止めた。
そして会社名を検索した。
公式サイトを開き、そこに載っている問い合わせ先に連絡した。
事情を説明すると、相手はすぐに答えた。
「そのような請求は、弊社では一切行っておりません」
一瞬で確定した。
詐欺だった。
その瞬間、さっきまでの不安が一気に消えた。
代わりに、少し腹が立ってきた。
「ここまで作り込んでくるのか」
私はそのまま終わらせる気にはならなかった。
紙の写真を撮り、内容を整理し、通話の録音準備をした。
そして、あえてその番号に電話をかけた。
数回コールしたあと、男が出た。
「はい」
低くて無機質な声だった。
私は落ち着いて言った。
「届いた督促状について確認したいんですが」
相手は慣れた様子で説明を始めた。
「未払いが確認されておりまして〜」
いかにもそれっぽい話し方。
だが私は途中で遮った。
「ちなみに、この通話、録音してますけど大丈夫ですか?」
一瞬、沈黙が流れた。
空気が明らかに変わった。
「……は?」
私はもう一度、はっきり言った。
「録音してます。あと、公式にも確認済みです」
そして最後に言った。
「この請求、詐欺ですよね?」
完全に沈黙。
さっきまでスムーズだった口調が止まった。
数秒後――
ガチャッ
電話は一方的に切られた。
あっけなかった。
あれだけ「未払い」「期限」「対応しないと困る」と言っていたのに。
録音の一言で、全部崩れた。
その後、その番号にもう一度かけても繋がらなかった。
すぐに使い捨てたのだろう。
私はそのまま消費者センターに連絡した。
担当者は言った。
「同じような相談、増えています」
やっぱり、そういうことだった。
今回、はっきり分かった。
詐欺は、
・本物そっくりの見た目
・リアルな金額
・焦らせる期限
この3つで判断を狂わせてくる。
でも逆に言えば、
一度立ち止まれば、必ず違和感に気づく。
そしてもう一つ。
本当に請求する側は、
そんな雑なやり方はしない。
あのとき、もしそのまま電話していたら。
もし焦って支払っていたら。
そう考えると、少し怖くなる。
だから最後に一つだけ。
見覚えのない請求は、その番号に絶対に電話するな。
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