私がそのメッセージを見たとき、
通知はもう27件たまっていた。
正直、全部ちゃんと読むつもりなんてなかった。
スクロールして、
流して、
終わり。
いつも通り、それでいいはずだった。
でも。
指が止まった。
長い文章だった。
途中で読むのをやめてもよかったのに、
なぜか最後まで目が離せなかった。
「教師たちにいじめられている」
「ずっと学校に行けていない」
「教育委員会に言っても意味がないと言われた」
そして最後の一行。
「僕らだけつらい思いして、理不尽すぎ」
……正直に言うと、その時の私は疑っていた。
また大げさな投稿じゃないか。
どうせどこか誇張しているんじゃないか。
そう思った。
思ってしまった。
だから、そのまま閉じてもよかった。
実際、ほとんどの人はそうしていた。
いいねは0。
コメントも0。
まるで最初から存在しなかったみたいに。
でも。
翌日、学校で。
私は“彼”を見た。
名前も知らなかったはずなのに、
なぜか分かった。
ああ、この子だ、って。
教室の空気は、妙に静かだった。
授業が始まってすぐ、
先生が彼の名前を呼んだ。
一瞬、少し期待した。
普通の指名かもしれないって。
でも違った。
「まだ来てたのか」
教室がざわついた。
先生は笑っていた。
軽い冗談みたいな顔で。
でも、その言葉は、冗談じゃなかった。
「どうせまた来なくなるんだろ」
誰かがクスッと笑った。
それが広がった。
教室中に。
私は、その音がやけに大きく聞こえた。
彼は、何も言わなかった。
ただ、少しだけ目を伏せた。
その瞬間、昨日のメッセージが頭に浮かんだ。
「教師たちにいじめられている」
あれ、本当だったのか。
胸の奥がざわついた。
でも。
その時の私は、何もしなかった。
何も言わなかった。
何もできなかった。
その日の帰り道、スマホを開いた。
あの投稿をもう一度探した。
まだあった。
相変わらず、反応はゼロだった。
誰も触れていない。
誰も見ていない。
まるで、この世界に存在していないみたいに。
そのとき、初めて思った。
もし私もここで閉じたら。
本当に、何もなかったことになる。
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引用元:https://twitter.com/dataanalyst1309/status/2044764933670457766?s=46,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]