あの時は怒りというより、
ただ言葉を失った。
流産したばかりで、
体もまだ完全には戻っていなかった。
気持ちなんて、もっと追いついていなかった。
自分の中で何が起きたのか、
まだ受け止めきれていない状態だった。
そんな時に、
一番近くにいるはずの人から出てきた言葉がそれだった。
「姉ちゃんのところの子供、可愛がればいいんじゃない?」
最初は、本当に意味が分からなかった。
聞き間違いかと思った。
でも、そのあとすぐに続いた言葉で確信した。
「ちょうど2人目できたばかりだし、手伝いに行ってあげたら?」
その時、初めて気づいた。
この人は、何も分かっていない。
というより——
分かろうともしていない。
私が失ったものが何なのか。
どんな気持ちでいるのか。
何一つ想像していない。
ただ、自分にとって都合のいい方向に話を持っていっているだけだった。
私は何も言えなかった。
言い返す気力もなかった。
ただ、その場で静かに思った。
ああ、この人とはもう無理だなって。
それまでも、小さな違和感は何度もあった。
でも、その時まではどこかで
「悪気はないんだろう」と思っていた。
でも違った。
悪気があるかどうかじゃない。
根本的に、
人として大事な部分がズレていた。
その後、関係は少しずつ崩れていった。
大きな喧嘩をしたわけじゃない。
でも、あの一言がずっと引っかかっていた。
忘れようとしても、
ふとした瞬間に思い出す。
そしてそのたびに、
同じ結論に戻る。
この人とは、一緒にいられない。
最終的に別れることになった。
正直、あの時は色々な感情があった。
でも今振り返ると、
はっきり言える。
本当に別れてよかった。
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