朝の光がまだ街を照らす前、私は店のドアを押し開けた。
「よし、今日はやるぞ!」と気合を入れ、荷物を運び込み、準備万端。ところが……視界に飛び込んできたのは、私の月極駐車場に停まる見知らぬ白い車だった。
「え……これ、私の駐車場……?」
心臓がドキッと跳ねた。いや、跳ねるどころじゃない。怒りが一気に頭頂部まで駆け上がる。私は何度も張り紙をしている。『無断駐車禁止』と大きく書いたやつを!なのに、奴は平然と、まるで私の存在など見えていないかのように車を停めている。
まずは冷静になろうと試みた。スマホを取り出し、車の登録番号から持ち主を調べようとしたが……登録情報は空白だった。
「ちょ、ちょっと待って、どういうこと!?連絡先なし!?嘘でしょ……」
怒りと呆れが入り混じり、頭がぐるぐる回る。仕方なく警察に電話をかけ、状況を説明する。
「はい、対応はします……が、時間がかかるかもしれません」
……かもしれません? かもしれませんじゃなくて、私の貴重な時間がもう奪われているんですけど!
待つ時間が耐えられず、ついに決意した。
「よし……私がやるしかない!」
雨で濡れたアスファルトに靴を踏みしめ、心臓の鼓動が耳に響く。車の前に立ち、まずは手に持った輪止めロックを確認する。指先が少し震えるが、私の目は鋭く、決意に満ちていた。
ロックをタイヤに当て、力を込めて回す。カチッ、カチッ……と音がするたび、心の中で「これでお前の自由は止まった」と呟く。両手に力を入れ、少し汗ばむ掌でワイヤーをねじり、最後のロックが決まった瞬間、思わずガッツポーズをした。
次に、張り紙だ。大きな赤文字で『無断駐車禁止・違反者は警察に通報します』。手が震える……いや、震えるのは興奮のせいだ。紙を持ち、車のフロントガラスにピタッと貼る。角がぴったり合った瞬間、私は深呼吸し、勝利の予感を胸に感じた。
「これでどうだ……!お前、逃げられないぞ!」
再び店に戻ると、雨の中、車の中から動揺した様子が透けて見える。ドライバーはスマホを取り出して必死に電話をかけるも、輪止めがある限り、車は一歩も動かせない。
私は店の窓越しに、その様子をニヤリと眺める。心の中でガッツポーズを繰り返す。時間も、尊厳も、取り戻した瞬間だ。
「無断駐車なんて二度とするなよ……!」
車の持ち主はついに、仕方なく周囲に助けを求め、焦燥に駆られた顔で立ち去るしかなかった。
私の勝利だ。
そして私は、雨で濡れた駐車場に一人立ち、深く息をつく。朝の冷たい空気が胸いっぱいに入ってくる。怒りはもう、爽快感に変わっていた。自分の時間を取り戻した、その達成感が全身にみなぎる。
店に戻ると、いつものように準備を再開。朝の仕事が再び始まる。だが、心の中にはさっきの小さな戦争の余韻が残っている。今日一日、私は完全勝利だ。
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