朝の通勤中、携帯に届いた通知で心臓が止まりそうになった。追尾事故に遭った自分の車が全損――しかも修理費が車の時価を超えているという。数字を見て、俺の心は一気に冷えた。811,800円の車に対して、概算修理費は938,817円。なんだこの理不尽……弁護士特約なんて入っていない俺に、この状況は重すぎる。
「こんな金額で納得できるか!」
頭の中で怒りが爆発する。保険会社は時価を基準にしか計算しておらず、俺の現実の損害とは完全にかけ離れていた。電話口の担当者は淡々と「規定通りです」と言うだけ。正直、このまま諦めるわけにはいかない。
俺はまず、現場に戻り車の破損状況を写真で記録した。フロントガラスのヒビ、バンパーの大きな凹み、ライトの破損、すべてを隅々まで撮影した。次に修理工場で見積もりを取り、書面にまとめた。数字で現実を示さなければ、保険会社は俺の正当性を理解できない。
次に、俺は行動に出た。撮影した写真と修理見積もりを手に、SNSで事故の経緯を公開。
事故の状況と保険会社の不合理な対応を簡潔にまとめ、同業者や友人に共有した。投稿は瞬く間に拡散され、コメント欄には「それは理不尽だ」「正しい主張だ」と同意の声が溢れた。これにより、保険会社に対する圧力も自ずと高まる。
そして正式に、書面での異議申し立てを提出した。車の時価ではなく、実際の修理費を基準に補償してほしいと明確に記載した。担当者は最初、書類を受け取るだけで渋い顔をしていたが、第三者の評価やSNSの反響を示すと、徐々に態度が変わっていった。
数日後、保険会社から返答が届いた。なんと、修理費に近い額まで補償を増額するという内容だった。読みながら、思わずガッツポーズをしてしまった。やっと正義が通った瞬間だった。
現金の振込を確認した後、俺は車のキーを握りしめながら深く息をついた。怒りと不安の連続だった日々が、一気に爽快感に変わった。自分で証拠を揃え、行動を起こしたことで、理不尽に立ち向かい、勝利を掴むことができたのだ。
今回の一件で学んだことは明確だ。どんなに不利な状況でも、証拠を持って正しく主張すれば、必ず勝てるということ。
保険会社に言われるがままではなく、自分で動くことで状況は変えられる。
心の中で小さく笑いながら、俺は車の前に立った。破損したボディは依然として痛々しいが、俺の勝利感はその何倍も大きい。これから先、どんな理不尽があっても、俺は立ち向かえる――そう確信した瞬間だった。
朝の光の中、俺は満足そうに車に乗り込み、ハンドルを握る。今回の全損賠償戦は終わった――俺の完全勝利で。