ベビーカーの前輪がドアをまたぐより先に、目の前の男が肩で割り込んだ。
その瞬間、「うわ、本当にこういうおやじいるんだ」と空気が一気に刺々しくなった。
譲るでもなく、待つでもなく、困る側が黙って引くのを当然だと思っている態度がいちばん腹立つ。
「よくあること」で流す人もいるだろうけど、こういう場面で毎回しわ寄せを食うのは、ベビーカーを押す側や弱い側だ。
これはただのマナー違反じゃない。公共の場で、誰に我慢を押しつけて当然だと思っているのか、その感覚の話だ。
昨日も今日も、ネットではこういう話を見ていた。
ベビーカーに舌打ちした人。
エレベーターで押しのけた人。
ホームで知らん顔した人。
正直、どこかで「まあ、ネットだから盛られてる話もあるんだろうな」と思っていた。
でも今日、仕事終わりの神保町で、私はその“現物”を見た。
ホームはそこまで混んでいなかった。
殺気立つようなラッシュでもない。
少し待てば、みんな普通に乗れるくらいの混み方だった。
私の少し前に、若いママさんがベビーカーを押して並んでいた。荷物もある。子どもも乗っている。だから私は、ドアが開いたら自然に少し待つつもりでいた。そういう場面では、急いでねじ込むより、一呼吸置くほうが普通だと思っていたからだ。
でも、ドアが開いた瞬間だった。
横にいた中年の男が、ベビーカーなんて最初から存在していないみたいな顔で、肩から先にスッと入っていった。
いや、見えていないはずがない。
目の前にあったから。
見えている。
でも待たない。
そこが一番ムカついた。
「急いでたのかも」じゃない。
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