ホームドアの上から身を乗り出してカメラを構えた瞬間、進入してきた電車の警笛が車内外の空気を一気に張りつめさせた。
そこまでして一枚を撮りにいく執着を「趣味だから」で流していいのか、私は正直かなり引いた。
夢中で撮っている本人たちは“好きなことをしているだけ”のつもりかもしれないけれど、その一歩で運転士にも周囲の乗客にも余計な緊張を背負わせている。
しかも、こういう場面になると「一部のマナー違反」で済ませたい人と、「もう趣味の看板では隠せない」と感じる人で一気に割れる。
これはただの撮影の話じゃない。自分の“好き”で、どこまで公共の安全と他人の仕事を踏み越えていいと思っているのか、その感覚の話だ。
私は鉄道そのものが嫌いなわけじゃない。
むしろ電車を撮るのが好きな人の気持ちも、少しはわかる。
狙った車両、狙った角度、狙ったタイミング。
好きな人にとって、一枚の価値が大きいのも理解できる。
でも、理解できることと、許せることは別だ。
ホームって、そもそも“撮影スポット”より先に、人が安全に乗り降りする場所だ。
しかもホームドアがあるのは、危ないからだ。
落ちないため。
接触しないため。
駅員や運転士が余計なリスクを背負わなくて済むようにするため。
そのために設けられている線を、自分で越えにいっておいて、「趣味です」はさすがに通らないと思う。
私がいちばん嫌だと思ったのは、あの行為が“本人の中ではそこまで大ごとじゃない感じ”で行われていることだ。
夢中になって、少し前へ。
もっといい角度を求めて、もう一歩。
たぶん本人は「危険行為をしてやろう」とまでは思っていない。
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