今日京王線で娘抱っこして乗った(優先席に座った)んだけど、肩トントンされて、何かと思ったら、
「席変わってくれ」ってお婆さんに言われて、
「子供抱っこしてるの見えないですか」って優しく言って、「若いんだから立ちなさい私が若い頃は〜」って言われたので、
車内に響くくらいの声だった。
私は驚いた。
さらにお婆さんは続ける。
「私が若い頃はね、子供抱いてても立ってたの!」
「今の母親は甘えてる!」
「好きで産んだんだから我慢しなさい!」
どんどん声が大きくなる。
そして、その瞬間だった。
私の腕の中で娘の体がピクッと震えた。
嫌な予感がした。
娘はゆっくり目を開けると、状況も分からないまま顔を歪めた。
そして――
「うぇぇぇぇぇぇん!!」
車内に響く大泣き。
私は思わず目を閉じた。
終わった。
さっきまで気持ちよさそうに寝ていた娘が完全に起きてしまった。
私は慌てて背中をさすりながら、
「ごめんね、ごめんね」
とあやした。
でも泣き声は止まらない。
何十分もかけて寝かしつけた努力が、一瞬で吹き飛んだ。
その時、私の中で何かが切れた。
私は顔を上げた。
「うるせぇ。」
気付けばそう言っていた。
お婆さんは目を丸くした。
「そんな言い方ないでしょ!」
私は娘を抱きながら言った。
「あなたが起こしたんですよ。」
「え?」
「さっきまで寝てたんです。」
「子供抱っこしてるの見えてましたよね?」
お婆さんはムッとした顔で、
「好きで産んだんでしょ!」
と言い返してきた。
私は思わず笑ってしまった。
「じゃあ好きで歳取ったんですか?」
車内が一瞬静かになった。
お婆さんの顔が引きつる。
私は続けた。
「好きで産んだから我慢しろって理屈なら、好きで歳取ったから我慢しろって理屈も成立しますよね。」
「そんなに座りたいならタクシー乗ればいいじゃないですか。」
「こっちは育児でびっくりするくらいお金かかるんです。」
本音を言うなら、
余生少ないジジババがタクシー乗れよ。
こっちはこれから何十年も育児にお金かかるんだよ。
そんな気持ちだった。
すると近くにいたサラリーマンが口を開いた。
「優先席って高齢者専用じゃないですよ。」
別の女性も頷いた。
「赤ちゃん抱っこしてる人も対象ですよね。」
さっきまで強気だったお婆さんは急に黙った。
周囲の視線が全部自分に向いていることに気付いたのだろう。
小さく舌打ちすると、別の車両へ移っていった。
私は泣き続ける娘を抱きながらため息をついた。
席を譲る譲らないの話じゃない。
一番腹が立ったのは、
優先席に座っている赤ちゃん連れを見つけて絡み、
自分の説教で娘を起こし、
それでも謝るどころか母親を責め続けたことだった。
優先席が必要だったのは足腰じゃない。
他人への思いやりだったのかもしれない。
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