新人が来るまで、おかしいと思うことを忘れてた。
職場のLINEグループに、
新人を追加しようとした日だった。
「すみません、入らなくていいですか」
「えっ」
しーんとした。
上司が口を開いた。
「連絡とれないと困るから」
新人が、また言った。
「なんで私用のスマホを
使わないといけないんですか?」
また、しーんとした。
翌週、
上司から一言あった。
「業務用のスマホ、
検討してみる。
時間外の連絡が
どれくらいあるか、
一回ちゃんと見てみる」
新人が来るまで、
誰も言えなかった。
そういえば、
「入らないといけない」という
ルール、
どこにもなかった。
いつから気にならなくなったんだろう。
入社した頃は
私も同じことを思ってた。
休日に通知が来るたびに、
なんか嫌だな、って。
でも1年も経つと
「そういうもの」に
なっていた。
仕事とプライベートの境界が、
いつの間にか
溶けていた。
脳はね、
境界線を越えることが
続くと、
「ここまでが自分の時間」
という感覚を
少しずつ失っていく。
おかしいと思う感覚は
消えたんじゃなくて、
上書きされてた。
新人のスマホには
まだ、境界線があった。
あの新人の言葉が、
きっかけになった。
ルールは
会社が作るものだと
思ってた。
でも「おかしい」と
声に出すだけで、
少し変わることがある。
自分の感覚を、
一番信じてあげられるのは
自分だけだ。
そのやさしさを、
自分自身に向けてみませんか。
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