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家族が消えた日、私だけが見ていた「赤い光」の正体とは――誰も信じてくれなかった実話
2026/06/17

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私はごく普通の大学生です。父と母、そして二つ年上の兄との四人家族で暮らしていました。

兄は高校時代から心霊スポットを巡る動画配信をしていました。父は「就職もしないで何をやっている」とよく怒っていましたが、家族仲は悪くなく、休日には祖母の家へ遊びに行くような平凡な家庭でした。

ただ一つだけ、ずっと気になっていたことがあります。

兄の動画には、時々、小さな赤い光が映るのです。

揺れるように動くその光を見るたび、私は胸が苦しくなりました。

「ねえ、この赤い光って何?」

そう聞いても兄は笑いながら、

「ライトの反射だろ。」

と相手にしませんでした。

その数か月後、私は国立大学への合格、両親は結婚二十五周年を迎え、家族全員で隣町のイタリアンレストランへ食事に出かけました。

帰り道、突然雨脚が強くなり、父は山道で道に迷ってしまいます。

その時、森の中に古びた廃屋が現れました。

兄は目を輝かせ、「こんな場所知らなかった」と車を止めさせ、撮影を始めようとしました。

私は嫌でしたが、三脚を持つよう頼まれ、仕方なく一緒に廃墟へ入りました。

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暗い建物の奥で撮影を始めた兄。

その背後に、私は再びあの赤い光を見つけたのです。

次の瞬間、外から激しい衝突音が響きました。

慌てて外へ飛び出すと、両親が乗った車が崖下へ転落していました。

兄は父を助けようと駆け寄りましたが、足を滑らせて岩に頭を打ち、その場で動かなくなりました。

私は震える手で119番へ電話をかけました。

すると、驚くほど早く救急車が到着したのです。

救急隊員は笑顔で私に言いました。

「ご家族は大丈夫です。あなたはここに残ってください。」

そう言って両親と兄を救急車へ乗せ、そのまま走り去っていきました。

私は呆然と立ち尽くしていました。

ところが数分後、もう一台の救急車が現れたのです。

「ご家族はどこですか?」

隊員の質問に、私は先ほど救急車が連れて行ったと答えました。

すると彼らは顔色を変え、警察へ連絡し始めました。

その後の記憶はほとんどありません。

気が付くと私は病院の長椅子に座り、祖母が泣きながら抱きしめていました。

警察の説明では、雨でスリップした車が崖へ転落し、父も母も兄も即死。

助かったのは私だけだったそうです。

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私が見た救急隊員も、二台目の救急車も存在しない。

ショックで記憶を書き換えてしまったのだろう、と医師も心理士も口をそろえて言いました。

それでも私は信じられませんでした。

何度も事故現場へ向かいましたが、あの日の廃墟はどこにも見つかりません。

兄のスマホに残っていた動画をネットへ公開し、場所を知る人を探しましたが、今も手掛かりはありません。

そして今も、祖母の家へ帰るたび、私は祖母の背後に小さな赤い光を見るのです。

あの日、兄の後ろで揺れていた光と、まったく同じものを。

もしあれが、本当に死を知らせる合図なのだとしたら――。

今度は、誰が消えてしまうのでしょうか。

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