あの日、トイレの前に貼られた紙を見た瞬間、背中が冷たくなった。
「青いリュック、メガネの小学生男子。顔ははっきり分かっています。警察にも相談済み。すぐに謝りに来ること」
そこに書かれていた特徴は、ほとんど俺そのままだった。
周りにいた大人たちが紙を見て、ひそひそ話していた。
その中に、阿佑もいた。
しかもあいつは、まるで他人事みたいな顔でこう言った。
「うわ、最悪だな。お前、もう出て謝ったほうがいいんじゃね?」
その瞬間、俺は初めて分かった。
裏切られるって、こういうことなんだ。
正直に言う。
今回は、本当に俺も悪かった。
きっかけはくだらない意地だった。
放課後、阿佑がニヤニヤしながら言ったんだ。
「なあ、ちょっとデカいことやってみる? ビビってんならいいけど」
その言い方がムカついて、俺は引けなくなった。
二人で公衆トイレに入って、トイレットペーパーを何度も丸めて便器に押し込み、そこにゴミまで突っ込んだ。
水がだんだん上がっていくのを見て、俺たちは笑っていた。
今思えば、本当に最低だ。
でもその時は、ただ「面白い」としか思ってなかった。
問題は、その後だった。
翌日には貼り紙が出て、騒ぎは一気に大きくなった。
しかも阿佑はすぐに自分だけ逃げた。
「俺、奥の個室まで入ってないし」
「ちゃんと見られてたの、お前だけじゃん」
「証拠ないなら黙ってれば俺はセーフだし」
そう言って、あいつは俺を一人で前に押し出した。
俺は怖かった。
怒られるのも、親に知られるのも、みんなに見られるのも怖かった。
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