産後すぐの病室だった。
私はまだ悪露も止まっていなくて、
下半身は裂けるみたいに痛かった。
立ち上がるだけで激痛。
力を入れると漏れる。
でもそんなこと、誰にも言えなかった。
恥ずかしかった。
出産って、もっと綺麗なものだと思っていたから。
でも現実は違った。
血まみれ。
汗だく。
失禁。
人間としての尊厳なんて全部吹き飛ぶくらい必死だった。
そんな時。
病室に入ってきた夫が、急に顔をしかめた。
「……なんかこの部屋、臭くない?」
私は一瞬で分かった。
あ。
バレた。
さっき漏れた。
看護師さんがすぐ片付けてくれたけど、
きっとまだ臭ってたんだ。
私は顔から血の気が引いた。
すると夫は、苦笑いしながら言った。
「お前さ、漏らしたんじゃない?w」
空気が止まった。
しかも夫は、悪気ない顔で続けた。
「いやいや、別にいいって」
「誰だって拉るだろw」
「俺は嫌じゃないしw」
その瞬間。
何かが完全に壊れた。
私は涙が止まらなくなって、叫んでいた。
「出去!!」
「みんな出てって!!」
看護師さんまで慌てていた。
でも私は止まれなかった。
だって。
一番見られたくなかったものを、
一番見られたくない人に笑われたから。
しかもこの人。
私が命懸けで産んでる時、来なかった。
陣痛で叫んでる時も。
血だらけで苦しんでる時も。
そばにいなかった。
なのに。
終わった後だけ来て、
私の壊れた身体を見て、
“臭い”
って笑った。
私は泣きながら怒鳴った。
「今さら何なの!?」
「私が産んでる時、
あなた何してたの!?」
「一番苦しい時、
来なかったじゃん!!」
夫は黙っていた。
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