新大阪行きの新幹線で、車内の空気が一瞬で重くなった。
理由は、通路側の席から聞こえてくる子供の絶叫だった。
「いやぁぁぁぁぁ!!」
2歳くらいの男の子が、顔を真っ赤にして泣き叫んでいる。
その隣には、30代くらいの女。
でも、その女の様子が異常だった。
普通、母親って子供がここまで泣いてたら、
焦ってもどこかに“心配”が見える。
でもその女には、それが一切なかった。
あるのは――イライラと焦りだけ。
子供が泣くたびに、
背中をバシッと叩く。
「うるさい!!」
さらに口を押さえつける。
「また泣いたら捨てるよ!!」
車内の空気が凍った。
周囲の乗客もヒソヒソし始める。
「ちょっと酷くない?」
「虐待じゃ…」
「でも最近のお母さんってこんな感じなの?」
私も最初は、
“育児ノイローゼ寸前の母親”
なんだと思った。
でも、見ているうちに違和感がどんどん大きくなった。
まず、その子。
一度も「ママ」と呼ばない。
普通、怖くても、
泣きながら母親にしがみついたり、
「ママぁ…」ってなる。
でもその子は違った。
女に触られるたび、
本気で逃げようとしていた。
しかも女。
子供の名前を一度も呼ばない。
ずっと、
「お前!!」
「黙れ!!」
「いい加減にしろ!!」
だけ。
私はそこで鳥肌が立った。
……この人、本当に母親?
さらに決定的だったのは、
子供に水を飲ませる時だった。
子供が嫌がっているのに、
無理やりペットボトルを口に突っ込む。
しかも手が震えている。
“怒ってる母親”じゃない。
何かに怯えてる顔だった。
私は静かに席を立ち、
車掌さんを探した。
小声で事情を説明すると、
車掌さんの表情も変わった。
数分後。
車掌さんと乗務警察がやってきた。
「確認ですが、お子様との関係を証明できるものありますか?」
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