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子どもの水筒が「いいの使うな」と教室で踏み壊された——泣いて帰ってきたその夜、私は相手の親に会いに行った
2026/03/31

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玄関のドアが開いた瞬間、

いつもと違う空気を感じた。

子どもが、何も言わずに入ってくる。

顔を見たら、すぐ分かった。

泣いたあとだった。

私は何も言わずに見ていた。

すると子どもは、ランドセルを下ろして、

中からそれを取り出した。

水筒だった。

でも——

原形をとどめていなかった。

ぐしゃぐしゃに潰れていて、

明らかに“踏まれた”跡が残っている。

一瞬、意味が分からなかった。

「どうしたの?」

そう聞くと、子どもは少しだけ黙ってから言った。

「……踏まれた」

誰に?と聞くと、

少し間を置いて、

名前を言った。

その瞬間、だいたい察した。

正直、思い当たる子だった。

前から少しトラブルがあった子。

でも今回のは違う。

私は続けて聞いた。

「なんで?」

子どもは小さな声で言った。

「いいの使ってるからって…」

その一言で、

全部つながった。

気に入らないから壊した。

ただそれだけの理由。

しかも、

その場で踏みつけている。

これはもう事故じゃない。

完全に“故意”。

しかも、言葉付き。

正直、頭にきた。

ただ物を壊されたことじゃない。

理由があまりにも幼くて、

そして、はっきりとした“悪意”だった。

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「見てた人は?」

そう聞くと、

「いたけど…」

「誰も何も言わなかった」

その瞬間、胸の奥が重くなった。

教室で、

目の前で壊されて、

誰も止めない。

それが一番嫌だった。

私はその場で決めた。

これは、放っておけない。

次の日、

学校の後に相手の家に行った。

インターホンを押す。

出てきたのは母親だった。

私は迷わず言った。

「お宅のお子さんが、うちの子の水筒を故意に踏んで壊しました」

一瞬、表情が止まる。

でもすぐに、

「え?そんなことないと思いますけど…」

と返してきた。

想定通りだった。

私はそのまま言った。

「不注意じゃありません」

「“いいの使うな”って言って踏んでます」

空気が少し変わる。

でもまだ引かない。

「子どもの言うことですし…」

その一言で、

完全にスイッチが入った。

私ははっきり言った。

「それ、いじめですよね?」

「嫉妬で物壊すって、普通じゃないですよね?」

相手が黙る。

視線が揺れる。

私は続けた。

「物は弁償すれば済むかもしれません」

「でも、このままにするなら」

少し間を置く。

「学校に正式に報告します」

「必要なら教育委員会にも相談します」

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その瞬間、

完全に空気が変わった。

さっきまでの軽さが消える。

相手の顔が固まる。

そしてようやく言った。

「……確認します」

そのあと、

子ども本人が出てきた。

最初は下を向いていた。

でも問い詰めると、小さく言った。

「……踏んだ」

理由も、そのまま。

「いいの持ってたから」

私は静かに言った。

「うちの子、何かした?」

首を横に振る。

それで十分だった。

私は最後に言った。

「原価で弁償してください」

「それと、本人からちゃんと謝らせてください」

相手の親は何も言い返せなかった。

その場で謝罪と弁償が決まった。

帰り道、

少しだけ息を吐いた。

正直、スッキリしたわけじゃない。

でも——

あのまま何もしなかったら、

もっと後悔していたと思う。

子どもは、

何も言わなかったけど、

少しだけ安心した顔をしていた。

それを見て思った。

こういうのは、

最初で止めないといけない。

これはただのケンカじゃない。

ちゃんと線を引くべきことだと思った。

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