「勤務中にスマホを触ったら罰金千円!」
店長がレジ前でそう叫んだ瞬間、
売り場の空気が一気に重くなった。
「写真付き通報OK!」
「通報成功した人には、
罰金の半額を払います!」
周りの販売員たちは、
みんな顔を引きつらせていた。
最近の店長は異常だった。
時間確認でスマホを見ても怒鳴る。
家族からLINEが来ても怒鳴る。
在庫確認でスマホを使っても、
「遊んでるな!」と決めつける。
そして私は、
その日の最初の犠牲者だった。
午前中、
母から電話が来て、
私は反射的にスマホを見てしまった。
その瞬間、
店長が後ろから現れた。
「はい、罰金千円」
私は思わず固まった。
千円。
コンビニ弁当なら何回も買える。
今の私には普通に痛い金額だった。
でも、
理不尽に取られると、
妙に腹が立つ。
私は黙って財布を出した。
すると店長は、
満足そうに笑いながら言った。
「ちゃんとルール守ってね」
その時だった。
私の頭の中で、
ある言葉が引っかかった。
――通報者には半額支給。
つまり、
一件通報すれば五百円。
私は心の中で思った。
“じゃあ店長を通報したら、
半分戻ってくるじゃん”
午後三時。
客足が落ち着き始めた頃。
私は売り場で商品整理をしながら、
わざと先輩販売員に聞いた。
「先輩、
今何時ですか?」
先輩は反射的にスマホを見た。
「三時二十分――あっ」
慌ててスマホを隠す。
「危ない危ない、
店長に見られたら終わる」
私は笑った。
「でも通報したら五百円ですよ?」
先輩は呆れた顔をした。
「やめなよ、
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