仕事から帰ると、
いつも玄関まで全力で走ってくる愛犬が来なかった。
まだ三歳。
甘えん坊で、
私の姿を見るだけで尻尾を振って飛びついてくる子だった。
でもその日は、
異様に静かだった。
胸がザワついた。
嫌な予感がしてリビングへ入ると、
義父と義母がソファーに座っていた。
しかも、
足を組んで。
義父がこちらを見て、
まるで世間話みたいに言った。
「犬さ、車に轢かれた」
一瞬、
意味が分からなかった。
頭が真っ白になる。
「……え?」
聞き返すと、
義父はため息交じりに続けた。
「ウンチさせようと思って外出したんだけどさ、
キャンキャンうるさくて。
気づいたらいなくなってて、
探したら道路で轢かれてた」
私は震えながら聞いた。
「うちの子…
今どこにいるんですか?」
すると義父は平然と、
「玄関に布かけて置いてある」
と言った。
その瞬間、
膝から崩れ落ちた。
呼吸ができなかった。
朝まで一緒にいた。
昨日だって、
その子のために新しいひんやりベッドを買ったばかりだった。
これから何年も、
ずっと一緒にいると思っていた。
なのに。
玄関へ行くと、
白い布の下に、
もう動かない小さな体があった。
私は泣き崩れた。
でも、
本当に地獄だったのはその後。
義両親は、
一度も謝らなかった。
それどころか、
ソファーから動きもしない。
義母は呆れたように言った。
「犬より人間の方が大事だから」
さらに、
「孫がお漏らししたの!
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください
引用元:,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]