祖母が風邪で寝込んでいた日、まさか家の中に知らない男を上げていたなんて、私は夢にも思わなかった。
88歳の祖母は、その日は熱もあって声もかすれていた。
普段なら、インターホン越しでも知らない相手を家に入れるような人じゃない。
なのにその日に限って、不用品回収業者を名乗る男を家に上げてしまった。
あとで祖母から聞かされた私は、背筋が冷たくなった。
しかも話はそれだけじゃなかった。
その業者はリビングに入っただけじゃなく、祖母が大事に保管していた貴金属のある別の部屋まで見ていた。
家の間取りも、どこに何があるかも、全部知られたということだった。
その瞬間、嫌な予感しかしなかった。
見せられた伝票には、ネックレス、銀杯、リング――ルビーやダイヤの付いたものまで含めて、全部で11点。
そして買取金額の合計は、たったの7万円。
私はその数字を見た瞬間、思わず「は?」と声が出た。
祖母はもともと、それらを手放したいなんて言っていなかった。
むしろ、大事にしまっていたものばかりだった。
それを、風邪で頭がぼんやりしている日に、突然来た訪問業者に見せて、そのまま売ってしまった。
しかも査定の比較もしていない。
相場もわからない。
正当な価格だったのかどうかさえ、不明のままだった。
でも、私が一番腹が立ったのは金額だけじゃなかった。
体調を崩している高齢者の家に上がり込み、会話の流れで貴金属の場所まで聞き出して、判断が鈍っているところでそのまま持っていく。
それが本当にまともな商売なのか。
名刺も、領収書も一応ある。
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