仕事帰り、私はいつものようにスーパーへ寄った。
特別なことは何もない。
夕飯の足しになりそうなものがあれば買って帰ろう、運がよければ半額の惣菜や肉があるかもしれない。そんな、ただそれだけのつもりだった。
普段は別のスーパーに行くことが多い。
でもその日は、久しぶりにイオン系列のザ・ビッグに寄ってみた。
そして売り場に入った瞬間、思わず足が止まった。
18時半。
ちょうど値引きの時間帯で、惣菜や生鮮に半額シールが貼られ始めるころだった。
ここまでは、以前と変わらない。
驚いたのは、その先だった。
半額シールを貼る店員さんの真後ろに、ぴったり張りつくように警備員が立っていたのだ。
ただ立っているだけじゃない。
周囲を鋭い目で見ていて、少しでも割り込みそうな人、距離を詰めすぎる人、手に持っている商品を差し出して何か言おうとする人がいると、すぐに動けるような空気だった。
最初は「え、そこまで?」と思った。
万引き対策かとも思った。
でも、少し見ているうちに理由がわかった。
店員さんがシールを貼って進むたびに、その後ろや横にぴったりついて歩く人たちがいた。
しかもただ見ているだけではない。
「それも貼って」
「こっちはもう持ってるからいいでしょ」
「先に取ったのは私なんだけど」
そんな声が、あちこちから飛ぶ。
私は思わず、買い物かごを持ったままその場で固まった。
ただ買い物に来ただけなのに、目の前の空気はスーパーというより、何か別の現場みたいだった。
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引用元:https://www.threads.com/@udonn.west.trip/post/DV_8jfyk47e,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]