朝の雨がまだ少し残る。路面は濡れていて、靴の裏がほんの少し滑る。
家の前の駐車スペースに立ち、私はため息をついた。
目の前には、見慣れた光景。いや、見慣れた、どころじゃない。
我が家の駐車場に、またも無断駐車の痕跡がある。
車の後ろに貼られた紙――赤い文字でびっしりと警告のように書かれている。
「お客様すいません、この無断駐車の方のせいで駐車場が…しかも8:00~ずっと…」
そして横のフロントガラスにも、同じような貼り紙が見える。
文字が雨に濡れて微妙に滲んでいるが、乾けば完全に消えないタイプのやつだ。
私は思わず眉をひそめた。
「またか…」
ここ数ヶ月、この無断駐車に悩まされている。
毎朝、出かける前に車を確認するのが日課になってしまった。
こんなこと、普通じゃない。誰がこの状況を喜ぶだろうか。
私は傘をたたみ、車に近づく。
貼られた紙は乾ききっていて、指先で剥がそうにもびくともしない。
横のフロントガラスにも、同じく。
「ふざけんな…」
頭の中で怒りが沸騰する。
どうして毎朝、こんな小さなスペース一つで、ストレスを受けなければならないのか。
道路側は普通車が停められる幅があるのに、後ろは軽しか停められない設計。
だから我が家は、後方に1台分の駐車場を別途借りている。
それでも、この無神経なドライバーは構わず、家の敷地を横切り、自分の都合で駐車する。
朝の冷たい風が私の顔を打つ。
雨で濡れたアスファルトの匂いと、無断駐車による苛立ちが混ざり合う。
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