窓を閉められた瞬間、思った。
「……眩しいの、私なんだけど?」
状況を整理する。私は窓側。隣の通路側にはご主人、その外側に奥さん。そしてその腕の中には、抱っこされて眠りかけている0歳児。
「眩しいからシェード下げたい」――言い分は分かる。でも、太陽光の直撃を受けるのは、むしろ窓に一番近い私だ。
なのに。
私が何かする前に、通路側のご主人がすっと腕を伸ばして、私の目の前の窓のシェードを“無断で”下げた。
一瞬、言葉が出なかった。
怒りというより、まず違和感が先に来る。
「え、いま、勝手に操作した?」という事実確認の感覚。
深呼吸して、頭の中で線を引く。
これは「眩しいか眩しくないか」じゃない。
これは「誰が決めるか」の話だ。
私の席。私の窓。私の視界。
“窓側の権利”なんて大げさな言い方はしたくないけど、少なくとも「一声かける」が先でしょう。
私はできるだけ平坦な声で言った。
「すみません、シェード……今、下げました?」
ご主人は赤ちゃんを揺らしながら、目だけこちらに向ける。
「あ、はい。眩しいみたいで……寝かせたいんで」
奥さんは言葉を発さない。でも、空気が言っている。
“赤ちゃんいるんですけど?”
“育児してるんだから配慮して?”
あの、説明せずに周囲を従わせるタイプの無言圧。
私は一瞬、反射的に「じゃあどうして私が一番眩しいのに?」と言いそうになって、飲み込んだ。
揉めたいわけじゃない。
でも、ここで曖昧に流すと、「赤ちゃんカードで何でも通る」前例になる。
私は淡々と、事実だけ並べることにした。
「眩しいのは理解できます。ただ、ここ窓側なので、操作するなら先に声をかけてもらえますか?」
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