夜遅く、仕事を終えてドンキホーテに立ち寄った。その日の仕事は少し遅れていたが、やっと帰れるという安堵感で心が軽くなった。
普段の帰り道、このドンキの駐車場に車を停めるのはよくあることだった。空いているスペースに車を停めて、買い物を済ませるだけの簡単な日課だ。
だがその夜は、少し違った。
車を停めて店内に入ると、周りの店員たちが少しざわついていた。「何かあったのかな?」と思いながらも、特に気にせず店内を歩いていた。
そのまま数分後、商品を手に持って車に戻った。
ドアを開けて、車を駐車した位置を確認した瞬間、不安が胸に広がった。
駐車場の広いスペースに、私の車の前に 見知らぬ軽トラ が停まっていた。
「あれ?誰の車だ?」
最初は軽く考えていたが、すぐに気づいた。
その軽トラは、私の車の 前のスペース に停められていたのに、どう見ても サイドブレーキがかかっていない のだ。
車のフロントが少し傾いていて、まるで 動き出しそうな勢い だった。
「ちょっと待って、これまずいぞ」
私はすぐに駆け寄って、軽トラを確認した。
案の定、サイドブレーキがかかっていない。
車が勝手に動き出したら、私の車に ぶつかってしまう だろう。
その時、周囲の店員たちが集まり、何かを話しているのが聞こえた。みんな不安そうに周りを見回していたが、誰も手を出さない。
「なんだこれ…」
私は立ち尽くしているわけにはいかないと判断し、そのまま軽トラに向かって歩き、車の近くに立った。
「誰だよ、こんなことしてんの…」
そう思いながら、車の周りを確認したが、運転席には誰もいない。
その瞬間、見覚えのある人物が現れた。
男が車の方に歩いてきたが、その顔を見た瞬間、私は思わず言葉を飲み込んだ。
「ダレガコレヤッタノ!」
その男は、まるで 他人事 のように言った。
「え?」
私は驚きと共に思った。「まさか、あの車の持ち主はこの男なのか?」
しかし男はすぐに車のドアを開け、サイドブレーキをかけ始めた。その瞬間、周囲の店員たちと私を含む数人の目が、一斉にその男に注がれた。
「あ、あれ…」
まさか、この男が犯人だったのか。
そして次の瞬間、私の心に湧き上がる不快感を感じた。
「なんだよ、まさかこの人が犯人かよ…」
だが、男は何事もなかったかのように「サイドブレーキかけといたから、大丈夫だろう」などと言い訳をしてきた。
私の心の中で何かが プツン と切れる音がした。
「お前、最初にどうして手刈りしなかったの?」
その一言を言いかけたが、周囲の静けさに配慮して黙っていた。
でもその不快感が増す一方で、私はただ黙ってその男の行動を見ていた。
男は何事もないように車を下げて、その場を離れようとしていたが、私は思い切って、つい言ってしまった。
「バック! バァァク!!!」
その瞬間、男は一瞬戸惑ったが、私が何か行動を起こすのを見て、慌てて車を後退させた。
「とにかく、よかった…」私はそう心の中で呟いた。
まさか、車がぶつかるなんて思わなかった。
しかもこんなことで不安に思わせられるなんて、心の中で 腹立たしくもあった し、今となっては 少しの警戒があれば こうした事態を避けられたのではないかとも思う。
それにしても、この男が 他人事のように 言っていたことに、私はいまだに 強い反感を覚え ている。
確かに、事は解決したが、心に湧き上がる怒りを抑えきれなかった。誰もが 自分の責任をきちんと取るべきだ という気持ちを感じていた。
そのまま、私は自分の車に乗り込んで、ドンキの駐車場を出ることにした。
「本当に、勘弁してくれよ…」
心の中で呟きながら、次回からはもっと慎重に駐車場を確認しようと思った。
こういう小さな 社会的な常識を欠いた行動 に対して、もっと 目を光らせていかなければならない と痛感した出来事だった。