家の中で、一番上の子はいつも同じ役割になる。
小さい頃から、よく分かっている。
下の子より我慢する。
下の子より働く。
下の子より空気を読む。
それが当たり前だと思わされて育つ。
気づけば、自然とそういう立ち位置になっている。
何かあれば、まず自分が動く。
誰かが困れば、自分が支える。
文句を言わずにやるのが“正しい”と信じている。
でも、その裏で何が起きているか。
弟や妹は、逆だった。
困った時だけ近づいてくる。
必要な時だけ頼ってくる。
普段は距離を取って、
面倒なことは全部避ける。
楽なこと、得することだけは先に取りに来る。
それでも誰も責めない。
むしろこう言われる。
「まだ若いから」
「大変なんだから仕方ない」
そして矛先は、必ず同じ場所に向く。
一番我慢している人間。
「お前がしっかりしろ」
「お前が支えろ」
「お前がやるのが当然だろ」
親も同じだった。
弱い方を守る。
楽な方をかばう。
そして、できる人間にだけ負担を押し付ける。
理由はいつも同じ。
「お前ならできるから」
それが一番残酷だと、誰も気づかない。
そして決定的なのは、家族に問題が起きた時。
親が病気になる。
お金が必要になる。
介護が必要になる。
その瞬間、全員が同じ顔になる。
そして同じことを言う。
「お前がやるべきだろ」
何もしてこなかった人間たちが、
当然のように口を揃える。
その時、やっと気づく。
今までの“我慢”は評価されていなかった。
ただ、“都合よく使われていただけ”だった。
優しさでも、責任感でもない。
ただの役割だった。
そしてその役割は、
一度受け入れたら、ずっと続く。
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