スーパーの意見板に貼られていたその一枚を、私は最初、半分笑いながら見ていました。
「1時前の店員、よく私語をしている。特に某店員という人。目中の人は、だいぶしそう。私語を減らしてほしいですや?」
字は大きくて、強くて、妙に感情が乗っていて、いかにも“頭にきた勢いで書きました”という感じだったんです。
正直、その瞬間は「へえ、そんなに感じ悪い店員でもいたのかな」くらいにしか思っていませんでした。
お店の意見板なんて、たまにこういうきつい書き込みがありますし、接客に不満を持つ人がいるのもわかります。
お金を払って買い物をしている以上、言いたいことが出るのも当然です。
でも、その日は少しだけ様子が違いました。
意見板の前を離れようとしたとき、すぐ近くに立っていた中年の女性が、たまたま隣に来た別のお客さんに向かってこう言ったんです。
「こういう店員は、ちゃんと書かれたほうがいいのよ。ああいう人って、誰も言わないとわからないから」
その言い方が、どうにも引っかかりました。
“困っているから意見を書く”というより、“書いてやった”という満足感のほうが強そうに聞こえたんです。
私はすぐには口を挟まず、少しだけ店内を見て回ることにしました。
本当にその店員さんがそんなにひどいのか、自分の目で見てから判断したかったからです。
すると、すぐに“某店員”らしき人がわかりました。
名札までは見えませんでしたが、たぶんあの人だろうな、という雰囲気の女性店員がいて、確かに同僚と二、三言、小さく会話していました。
でも、私が見た限りでは、それは世間話ではありませんでした。
レジ前で慌てている新人さんに何かを伝え、品出しをしながら、近くのお年寄りに「お取りしましょうか」と声をかけ、落ちかけた商品をさっと直し、空いたカゴを片づける。
ずっと動いていて、むしろ暇そうには見えません。
しかも、その人の表情が少し気になりました。
無表情というより、どこか張りつめている感じで、笑顔を作ろうとしてもうまく作れないような、そんな顔でした。
もしかして、もう自分が書かれたことを知っているのかもしれない。
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