朝だった。
まだ頭が完全に起きていない時間。
空気は少しだけひんやりしていて、店内のコーヒーの匂いだけがやけに濃く感じた。
私はいつものようにコンビニに入って、
いつものようにアイスコーヒーを一つ手に取った。
それだけの、何でもない朝。
レジに並んで、100円を出す。
店員は慣れた手つきで会計を済ませて、レシートとお釣りを差し出した。
その流れに、違和感は一切なかった。
本当に、あの瞬間までは。
外に出て、歩きながら何気なくレシートを開く。
別に確認するつもりもなかった。ただの癖だ。
上から順に目で追う。
93円。
消費税。
合計100円。
ここまでは、いつも通り。
問題は、その下だった。
「お釣り -2円」
……は?
一瞬、思考が止まった。
いや、待って。
100円払ったよね?
なのに、マイナス2円?
頭の中で計算をやり直す。
でも、どうやっても辻褄が合わない。
むしろ、考えれば考えるほどおかしくなる。
「いやいや、意味わからんでしょ」
思わず小さくつぶやいた。
ポケットの中のお釣りを確認する。
98円。
数字は一致している。
だから余計におかしい。
つまり、私は今、
“100円払って98円しか戻ってきていない”という状況にいる。
それって、普通に考えておかしくない?
その瞬間、じわじわと違和感が不安に変わっていった。
たった2円。
でも問題はそこじゃない。
理由がわからないことが、気持ち悪すぎる。
私はその場に立ち止まって、もう一度レシートを見た。
見間違いじゃない。
印字ミスでもない。
はっきりと「-2円」と書いてある。
これ、普通に受け取っていいやつ?
一瞬、このまま帰る選択肢も頭をよぎった。
2円だし。どうでもいいと言えばどうでもいい。
でも、その“どうでもよさ”が逆に引っかかった。
こういう小さい違和感って、
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