今日は子どもたちと恵方巻きを買いに行くつもりだった。
「好きなの選んでいいよ」って言って、夕方みんなで笑いながら食べる予定だった。
節分って、そういう“ちいさなイベント”で家族を回復させる日じゃん?…って思ってた。
でも、門鈴が鳴って全部ひっくり返った。
義母がにこにこしながら袋を私の手に押しつける。「はい、恵方巻き。買ってきたよ〜」
重い。中身を見る。……5本。
うちは娘4人+夫+私の6人家族。なのに5本。
はい、また“私の分だけ存在しない日”ね。
テーブルに並べた瞬間、夫が何の迷いもなく分け始めた。
1本は自分、残り4本は娘たちへ。手つきが慣れすぎてて笑えない。
私は立ったまま、手を拭く布巾を握りしめてた。指が白くなるくらい。
その時、長女が顔を上げた。「え?ママは食べないの?」
次女も続いた。「ママのは?」
その一言で空気が止まった。私は危うく泣きそうになって、代わりに笑った。乾いたやつ。
義母「だってパパが5本でいいって言ったから〜。足りると思って」
夫「別にいいじゃん?ただのご飯だろ。みんな食べられれば」
……出た。“ただの”。私が抜けても“ただの”。
「みんな」って言葉に、私が入ってないの、気づいてる?
娘たちは数秒黙って、そっと自分の恵方巻きを私に差し出した。
「ママこれ食べて」「半分あげる」「一口ずつ分けよ」
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください