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信号のたび“ベンツマーク”がパカッ…「後ろ撮ってんの?」と聞いたら「問題ないでしょ」→コンビニで声かけた結果…
2026/03/25

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夕方の帰宅ラッシュ。いつものように細い県道をゆっくり走っていた。

前には一台の白い車。メルセデスだった。

「GLCか…」

別に珍しい車ではないけど、なんとなく目につく。車間距離を保ちながら、私はそのまま後ろを走っていた。

やがて信号が赤になり、前のベンツが止まる。

その瞬間だった。

「……え?」

思わず声が出た。

ベンツの後ろのエンブレム——あの三角のマークが、

パカッ

と、突然開いたのだ。

一瞬、本当に意味が分からなかった。

「なに今の?」

まるで、何かのスイッチが入ったみたいに見えた。

私は思わず身を乗り出す。

ベンツのマークは、しばらく開いたままだった。

「……」

妙に気になる。

すると、信号が青になった。

前のベンツがゆっくり走り出す。

私もそのまま後ろを走った。

すると数秒後。

パタン

今度はエンブレムが閉じた。

「え?」

完全に見間違いじゃない。

確実に開いて、閉じた。

私は一気に警戒した。

「なにあれ…」

頭の中で、変な想像が膨らむ。

「もしかして…カメラ?」

最近はドライブレコーダーとか、色々ある。

もしかして、

後ろの車を撮影してる?

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そんな考えが浮かんだ。

すると前のベンツが、また信号で止まった。

私は少し距離をとって止まる。

その時だった。

また——

パカッ

エンブレムが開いた。

「……は?」

さっきより、はっきり見えた。

中に黒いレンズみたいなものがある。

「やっぱりカメラじゃん…」

正直、ちょっとイラッとした。

「何?後ろ撮ってんの?」

もしそうなら、かなり感じが悪い。

その時、助手席に座っていた友人が言った。

「ねぇ、それ…」

「うん」

「挑発されてない?」

「……」

同じことを思っていた。

前のベンツは、やけにゆっくり走る。

しかも微妙にブレーキを踏む。

いわゆる

“煽らせる運転”

だった。

「なんだよこいつ…」

私のイライラは、少しずつ積もっていく。

次の信号。

また止まった。

そして——

パカッ

三回目だった。

さすがに我慢できなかった。

「ちょっと…」

私は窓を少し開けた。

信号が青になる。

ベンツが走り出す。

そのまま次の交差点で、ベンツが左折した。

私はそのまま後ろについていく。

少し進んだ先にコンビニがあった。

するとベンツが、そこに入った。

「……」

私は少し迷った。

でも、そのままコンビニに入った。

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ベンツの運転席から、男が降りてきた。

40代くらい。

スーツ姿だった。

私は車を降りて、声をかけた。

「すみません」

男は振り向く。

「はい?」

私はベンツの後ろを指さした。

「あのエンブレム、さっきから開いたり閉じたりしてましたよね」

男は一瞬きょとんとした。

「え?」

「後ろの車、撮影してるんですか?」

すると男は——

数秒黙ってから、

吹き出した。

「え、違います違います」

男はベンツの後ろに回った。

「これ、バックカメラなんです」

「……え?」

男が説明する。

「この中にカメラが入ってて、バック入れたり手動で起動すると開くんですよ」

そう言って、車の中に戻る。

すると——

パカッ

またエンブレムが開いた。

中に確かにカメラがあった。

私は一瞬、固まった。

「……」

助手席の友人が小さく言う。

「……恥ずかしいやつ」

私は思わず頭をかいた。

「すみません、なんか挑発されてるのかと思って」

男は笑いながら言った。

「いやいや、よく言われます」

そして一言付け加えた。

「でも、煽り運転じゃなくてよかったですね」

私は苦笑いした。

確かにその通りだった。

もしさっきの時点で怒鳴り込んでいたら——

完全に

ただの勘違い野郎だった。

車に戻ると、友人が言った。

「でもさ」

「うん?」

「ベンツのあの“パカパカ”…」

私はうなずいた。

二人同時に言った。

ちょっとダサいよね。

それだけは、完全に一致していた。

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