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訪問販売に「インターホン3300円です」→さらに55000円を請求した結果
2026/04/08

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うちの玄関には、ある日から一枚の張り紙が貼ってある。

最初に見た人は、だいたい同じ反応をする。

「え、これ本気?」

そう言って二度見する。

紙にはこう書かれている。

勧誘・訪問販売歓迎下記料金にて承ります

インターホン(1回)……3300円対面対応(5分)……55000円延長対応(1分毎)……10000円資料受取(1枚毎)……5500円対面感染症対策費……77000円マスク販売(1枚)……11000円

支払い拒否は警察へ通報します。※PayPay対応可

もちろん、本当に請求するつもりはない。

ただ――

ここまでしないと、訪問販売が止まらないのだ。

うちの地域は住宅街で、ここ数年やたらと営業が来る。

保険通信回線太陽光パネルウォーターサーバー

とにかく何でも売りに来る。

最初は普通に断っていた。

「結構です」「必要ありません」

だが最近の営業はしつこい。

ある日なんて、夕飯を作っている時間にインターホンが鳴った。

モニターを見ると、スーツ姿の男。

出ると、いきなりこう言った。

「電気料金の見直しのご案内です!」

私は答えた。

「結構です。

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だが男は帰らない。

「いえ、ほんの5分だけでも――」

「結構です。」

それでもドアの前に立ったまま。

むしろ説明を続けようとする。

正直、少し怖かった。

その日、私は思った。

もうはっきり意思表示しよう。

そして作ったのが、あの張り紙だった。

半分冗談のつもりで作った。

パソコンで作り、コンビニで印刷し、玄関の横に貼った。

すると数日後。

インターホンが鳴った。

モニターを見ると、知らない営業マン。

私はドアを開けた。

男は元気よく言った。

「突然すみません!太陽光発電のご案内で――」

だが途中で言葉が止まった。

男の視線が、玄関の張り紙に止まっている。

男はゆっくり読み上げた。

「インターホン……3300円?」

私は静かに言った。

「はい。」

男は苦笑した。

「いやいや、冗談ですよね?」

私は首を横に振った。

「いえ、料金表です。」

男は少し困った顔になった。

「いや、でもさっき押しただけですし…」

私は言った。

「インターホン一回、3300円です。

男の笑顔が消えた。

「いや、そんなの払うわけないじゃないですか。」

私は小さくうなずいた。

「そうですか。

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そして続けた。

「では今は対面対応ですね。」

男は一瞬、意味が分からない顔をした。

私は張り紙を指差した。

「対面対応、5分55000円。

男の顔色が一気に変わった。

「ちょ、ちょっと待ってください!」

私は淡々と言った。

「もう話していますよね?」

男は慌てて言った。

「いやいやいや!そんなの無効でしょう!」

私は張り紙の一番下を指差した。

支払い拒否は警察へ通報します。

玄関の空気が、一瞬で凍った。

男は黙り込んだ。

張り紙と私の顔を交互に見る。

数秒の沈黙。

そして――

「……失礼しました。」

さっきまで強気だった営業マンは、早足で帰っていった。

私はドアを閉めた。

それから数週間。

不思議なことが起きた。

訪問販売がほとんど来なくなった。

ゼロではない。

だが明らかに減った。

ある日、近所の人に声をかけられた。

「玄関の張り紙、見たよ。」

私は少し恥ずかしくなった。

「やりすぎですかね。」

するとその人は笑った。

「いや、あれいいよ。」

「うちも貼ろうかな。」

どうやら、みんな同じことで困っていたらしい。

確かに営業の人たちも仕事だろう。

それは分かる。

でも――

突然家に来て断っても帰らず何度もインターホンを押す。

それは営業じゃない。

ただの迷惑だ。

玄関の張り紙は、今日もそこに貼ってある。

一番下には、こう書いてある。

「※PayPay対応可」

半分冗談で書いた一行だ。

でもそのおかげか――

今日も、うちのインターホンは静かなままだ。

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