あと99,972,429円で4時間割引ですって!?マジか!
自分の買い物はたったの27,570円だぞ?それであと一億円近く買わないともう1時間無料にならないなんて、正気の沙汰じゃない!思わず画面を二度見、いや三度見した。こんな数字、どう計算しても無理ゲーすぎる。
「いや、これはもう私への挑戦状か?」心の中で勝手に戦闘モードに突入。理性的な自分が「そんなわけあるか」と呆れる横で、心の中の私は燃えていた。こんなバカげた数字に屈するわけにはいかない!
まずボタンを連打してみた。確定ボタン、取消ボタン、もう片手で画面を叩きまくる。
次にレシートをスキャン。何度やっても、画面の数字は変わらない。
「なるほど……このシステム、完全に遊ばれてるな。」私は笑いをこらえつつも、怒りと笑いが入り混じった複雑な感情に包まれた。
ふと気づく。「そうだ、考えるな。動け。」
手を伸ばして取消ボタンを押す。
カチッ。
機械は無言で、でも確かに、私が本来もらえる時間割引を確認してくれた。
その瞬間、38秒くらいの勝利感が胸に走る。荒唐無稽な数字の画面を前に、私は完全に掌握した気分になった。
振り返ると、周りの人たちは何も気づいていない。私だけが、この自動支払機との壮絶な心理戦を制したのだ。
「一億円……惜しかったなぁ」と思わず呟く。もちろん現実には買えない金額だが、頭の中で妄想シナリオが次々と浮かぶ。もし本当に一億円使っていたら?いや、想像するだけで笑える。
結局、現実は27,570円の買い物で十分だった。
機械の荒唐無稽な挑戦を突破した私は、少し誇らしくもあり、少し馬鹿馬鹿しくもあり……とにかく爽快だった。
駐車場の出口に向かう足取りは軽く、思わず肩で風を切る。勝利の余韻に浸りながら、心の中でガッツポーズ。
「ああ、この世には理不尽なことがたくさんあるけど、こんな小さな勝利でも充分に楽しい。」
画面の向こうの機械は何も語らない。でも、私の中で38年間の忍耐ならぬ、数十秒の戦いが記録され、胸の中で静かに勝利を祝っていた。
そして次回、自動支払機に立ち向かうときは、もっと余裕を持って挑戦できそうだ。
でも、あの「あと一億円で4時間無料」という表示は、きっと一生忘れない。
私にとって、ただの機械画面ではなく、戦場だったのだから。