「中古のレクサスを10年ローンで買って、軽を見下してる彼」と同一人物かも知れん。
10分近く、勝手に私の脚立を使っていた。
洗車に夢中で気づくのが遅れた。
拭き上げに集中して、ボンネットに映る空を見ていたから。
ふと視界の端に、見慣れた黒い脚立。
私のだ。
わざわざネットで取り寄せた、耐荷重強化タイプ。
天板に小さく名前も貼ってある。
それに乗って、隣のレクサス男がLSの屋根をゴシゴシやっていた。
スタンド備え付けの雑巾で。
「すみません、それウチのなんです」
声をかけた瞬間、彼はゆっくり振り返った。
キーをジャラッと鳴らしながら。
「あ? 紛らわしい所に置くなよ。たかが軽でこんなん持ってくんなよ」
一瞬、意味が分からなかった。
軽。
たかが。
さらに畳みかける。
「民度って言葉知ってる? 車見りゃ分かるんだよ」
キーをもう一度、わざとらしく鳴らした。
私は固まった。
喉が詰まって、言葉が出ない。
彼は先に給油を終え、帰り際わざわざ私の前を通って言った。
「そんな軽でチンタラしてんじゃねーよ」
胸の奥が、音もなく折れた。
あんたから見たら、その辺にゴマンといる軽かもしれない。
でも私は、結婚して、子どもが生まれて、
乗りたい車を何度も諦めて、
利便性だけで選んできた。
去年やっと、子どもが大きくなって、
初めて「これがいい」と思えた一台を契約した。
毎週土曜日、必ず洗車する。
鉄粉除去もする。
ポリッシャーも買った。
この脚立も、そのために買った。
“軽”だからこそ、届かない屋根を丁寧に磨きたかった。
その夜、私は震えながら投稿した。
事実だけを書いた。
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