「え、今ここで倒す?」
新幹線に乗って、席に座って、
カバンからPCを出して、
よし、到着までに少しだけ仕事を片付けようと思った瞬間だった。
前の席が、スッと倒れてきた。
いや、倒すなとは言わない。
新幹線の座席にはリクライニング機能がある。
それを使うなと言うつもりはない。
でも。
後ろでテーブルを出して、PCを開いている人がいるのは、
さすがに分かる距離じゃないかと思ってしまった。
画面は途中までしか開かない。
キーボードは打てる。
でも、首の角度がおかしい。
背中を丸めて、
肘を変な位置に置いて、
画面をのぞき込むように作業するしかない。
これ、10分ならまだ我慢できる。
でも新幹線って、10分で終わらない。
30分、1時間、場合によっては2時間。
この姿勢でずっと作業するのは、普通にきつい。
しかも困るのは、
こういうときに声をかける側が、なぜか悪者っぽくなること。
「すみません、少しだけ戻していただけますか」
たったこれだけの言葉なのに、
言う前にこっちがめちゃくちゃ悩む。
相手にとっては、
せっかくくつろいでいるところを邪魔されたと感じるかもしれない。
こっちにとっては、
仕事道具を出している状態で急に空間を削られた感覚がある。
どっちが完全に悪い、という話ではない。
だからこそ難しい。
ただ、正直に言うと、
リクライニングを倒す前に一言あるだけで、印象はまったく違う。
「少し倒してもいいですか?」
この一言があるだけで、
こちらもたぶん普通にこう返す。
「あ、大丈夫です」
たとえ少し狭くなっても、
気持ちは全然違う。
でも何も言われずにいきなり倒れてくると、
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