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「また養豚場?」2023年から並ぶ火災一覧を見てゾッとした。でも一番怖いのは、根拠なしに誰かを決めつける空気だった
2026/04/29

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「これ、さすがに多くない?」

最初にその一覧を見たとき、私は普通に手が止まった。

2023年から2026年まで、全国の養豚場火災がずらっと並んでいる。

宮崎、千葉、新潟、鹿児島、群馬、山形、島根、神奈川、愛知、鳥取、北海道、宮城。

しかも一件や二件ではない。

日付と場所が並んでいるだけなのに、妙に重い。

普段、スーパーで何気なく豚肉を買っている。

値札を見て、

「今日は高いな」

「こっちの方が安いな」

そのくらいの感覚で選んでいる。

でも、その裏には毎日世話をしている人がいて、設備を動かしている人がいて、早朝から現場に立っている人がいる。

そこが燃えた。

そう考えた瞬間、ただのニュース一覧には見えなくなった。

怖いのは火だけじゃない。

もっと怖いのは、その下につくコメントだった。

「これは絶対に誰かの仕業だろ」

「ある集団が関係してるに決まってる」

「見れば分かる」

いや、分からない。

分かるわけがない。

現場を見たわけでもない。

消防の発表を読んだわけでもない。

警察の説明が出たわけでもない。

それなのに、画像一枚を見ただけで、いきなり誰かを決めつける。

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その空気に、私は一番ゾッとした。

もちろん、ここまで件数が並べば不安になる。

「偶然で片づけていいのか?」

「設備の問題はないのか?」

「同じような環境で、同じようなトラブルが起きていないのか?」

そう考えるのは当然だと思う。

むしろ、そこはちゃんと調べてほしい。

養豚場は、ただの建物ではない。

動物がいて、餌があり、暖房や換気もある。

電気設備もある。

乾燥したものも多い。

夜中や早朝に異変が起きたら、発見が遅れることもある。

外から見ている私たちが思うより、管理はずっと大変なはずだ。

だからこそ、必要なのは怒鳴ることじゃない。

決めつけることでもない。

原因の確認。

再発を防ぐ仕組み。

現場への支援。

そこだと思う。

私は一度、コメント欄にこう書いた。

「誰のせいかを決める前に、まず原因を公表してほしい。現場の人を守る話をしませんか」

すると、すぐに反応が来た。

「きれいごとだ」

「甘い」

「分かってない」

そう言われた。

でも、その数分後に別の人が書いてくれた。

「たしかに。まだ何も分かってない段階で叩くのは違う」

その一言で、少し空気が変わった。

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さらに、養豚関係の仕事をしているという人が出てきて、

「農場の火災対策は本当に難しい。設備点検も人手もお金も必要。外から簡単に言わないでほしい」

と書いていた。

私はそれを読んで、やっぱりそこだと思った。

現場を知らない人ほど、話を簡単にする。

誰かを悪者にすれば、分かった気になれる。

強い言葉を使えば、正しいことを言っている気になれる。

でも、それで何が変わるのか。

次の火災を防げるのか。

現場の人を救えるのか。

たぶん、何も変わらない。

むしろ、必要な話が見えなくなる。

今回の一覧を見て、本当に考えるべきなのは、

「どこの誰が怪しいか」

ではない。

「なぜ同じような現場で火災が続くのか」

「対策に必要なお金や人手は足りているのか」

「行政はどこまで把握しているのか」

「消費者として、私たちは現場の負担を知らなすぎるのではないか」

そこだと思う。

豚肉が食卓に並ぶまでには、当たり前だけど誰かの仕事がある。

朝も夜も、休日も、気温が高い日も低い日も、世話をしている人がいる。

その場所が一瞬で失われる。

それは、現場の人にとってどれほどきついことか。

想像したら、軽々しく笑えない。

軽々しく決めつけられない。

SNSは怖い。

一枚の画像で、怒りが一気に広がる。

でも同時に、流れを戻すこともできる。

「待て」

「まだ分からない」

「まず確認しよう」

その一言を、誰かが書くだけでいい。

派手ではない。

バズりにくい。

でも、必要な一言だと思う。

私は今回の一覧を見て、不安になった。

正直、今も気持ち悪さは残っている。

ここまで並ぶなら、きちんと調べてほしい。

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関係機関には、分かっていることをできるだけ早く説明してほしい。

農場側だけに負担を押しつけず、設備点検や防火対策を支える仕組みも考えてほしい。

でも、それと根拠のない決めつけは別の話だ。

不安だからこそ、雑に叩かない。

怖いからこそ、確認する。

怒っているからこそ、現場を守る方向に向ける。

それができないと、結局また同じことを繰り返す。

誰かを叩いて終わり。

数日後には忘れる。

そしてまた次の火災で騒ぐ。

そんな流れ、もうやめた方がいい。

本当に守るべきなのは、コメント欄の気持ちよさじゃない。

食を支えている現場だ。

私はそう思う。

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