日本国内で大きな批判を浴びていたK-POPグループaespaをめぐり、紅白歌合戦への出演を直前で辞退したメンバーの発表内容が、さらにネット上で物議を醸している。発端は、過去に「原爆を想起させる」と受け取られかねない“キノコ雲のような形状のランプ”を「可愛い」と投稿したとされる件だ。この投稿が再拡散されると、日本では「配慮に欠ける」「歴史への敬意がない」といった批判が噴出し、紅白出演に反対するオンライン署名が約14万人規模にまで拡大した。
こうした世論の高まりに対し、NHKの判断にも注目が集まった。署名が提出されたにもかかわらず出演方針が維持されたと受け止められたことで、批判の矛先はグループだけでなく放送局側にも向かう形となった。騒動が収束しないまま迎えた年末、12月29日、問題の中心人物とされるメンバーは「インフルエンザによる体調不良」を理由に、紅白の出演自体を辞退すると発表。表向きは健康上のやむを得ない判断だが、炎上が続く最中の欠場というタイミングが重なったことで、ネットでは疑念が一気に広がった。
とりわけ注目されたのは、欠場発表の中で例のランプ投稿に言及したコメントである。そこでは「特定の目的や意図はございませんでしたが、様々なご懸念を生じさせるものでした。今後はより一層注意を払ってまいります」といった趣旨が述べられた。しかしこの表現は、火に油を注ぐ結果になった。ネット上では「都合が悪くなると体調不良になる政治家みたいだ」「本当に病気でも疑われる状況を作ったのは自分たち」「接触しているメンバー全員が欠場すべきでは」といった声が噴き上がり、体調不良そのものまで“疑わしい”と断じる投稿が相次いだ。
さらに大きかったのが「謝罪がない」という反発だ。コメントには、謝罪の言葉が明確に含まれていないと受け取られ、「反省ではなく言い訳に見える」「謝ったら負けという姿勢なのか」「謝らないなら許さない」といった厳しい批判が連鎖した。問題が歴史的な痛みを伴うテーマに触れていると認識されている以上、視聴者は“意図の説明”よりも“傷ついた側への配慮”を求める。にもかかわらず、曖昧な表現に終始したことで、誠意の欠如と判断されてしまったのである。
今回の騒動が示したのは、炎上の本質が「体調不良は本当か」という一点ではなく、危機対応における言葉と態度の問題だということだ。特に国境を越えて活動するアーティストは、受け手側の歴史や記憶、象徴に対する感覚が社会によって大きく異なる。だからこそ、誤解を生む可能性のある表現が露出した際には、意図の否定だけでなく、相手の痛みに向き合う姿勢を具体的に示す必要がある。結果として、今回の“辞退”は事態の終着点ではなく、むしろ「誠意とは何か」を問う新たな議論を呼び起こす引き金になってしまったと言える。