18cm。
私の軽自動車のドアが開くか開かないか、その差だった。
隣のフォレスターは、いつも“上手に”停める。
上手に、目一杯左へ寄せて。
自分の運転席だけ、ゆったり降りられるように。
その結果、私の右側は——8cm。
ドアを開けた瞬間、ゴムが「ギュッ」と鳴った。
は? って声が出た。
駐車枠の線の上に、あいつの前輪が乗っている。
貼り紙もした。
「もう少し3番駐車寄りに駐車して下さい。迷惑です。
前輪が駐車線に乗っています。」
お願い、まで書いた。
翌日。
……もっと左だった。
わざとだ。
下手じゃない。
“自分だけ降りやすいように”計算してる。
しかも人としての態度も同じ。
朝、挨拶しても無視。
私が「すみません、少しだけ寄せてもらえますか」と言えば、サングラス越しに一度だけ見て、口元だけで笑った。
何も言わずにドアをゆっくり開け、余裕の幅で降りていく。
私の軽には、その余裕が残らないのに。
最初の一週間、私は我慢した。
体を斜めにして、買い物袋を先に放り込み、子どもを抱えたまま無理やり隙間を通る。
毎日、それ。
毎日、ムカつくのに、言うほどでもない…と言い聞かせる。
でも「言うほどでもない」は、積み重なると毒になる。
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