無人販売所で、その光景を初めて見た。
朝採り野菜が1袋100円。
スーパーより安くて新鮮で、私はたまに利用している。
ただキュウリを買いに寄っただけだった。
なのに目の前では、50代くらいの女性が
次から次へと野菜をカゴに放り込んでいた。
てっきり管理人さんだと思って
「キュウリ1袋買ってもいいですか?」と声をかけた。
振り向いた女性は言った。
「コレ全部私ノモノネ!」
一瞬、意味が分からなかった。
管理してる人じゃないの?と聞くと
「シラナイヨ!」
え…?
じゃあこれ、無賃?
でも証拠はないし、見間違いかもしれないし。
たった100円の野菜で、こんなに堂々と?
頭の中がざわついた、その時。
軽トラが急ブレーキで止まった。
降りてきたのは農家のおじさん。
次の瞬間、怒鳴り声。
「あんた!!何回泥棒すれば気が済むんだ!
カメラ付けたんだからな!」
女性の顔色が一気に変わった。
「前からやられてたんだ。
だから監視カメラ付けたんだよ」
無人販売所は“無防備”じゃなかった。
善意の上に成り立ってただけだった。
たった100円。
それすら払わず、山ほど持っていく人がいる。
でも、今回は逃げられなかった。
私はただの通りすがり。
でも、正義が目の前でちゃんと働く瞬間を見た。
安心より、少し寂しかった。
性善説って、
こんなふうに少しずつ食べられていくのかもしれない。
あなたの近所の無人販売所、
まだ“信頼”だけで守られていますか?
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