ドン、という鈍い音が町に響いた。
次の瞬間、町内会館の屋根が、雪ごと崩れ落ちた。
悲鳴、怒号、駆け寄る人影。
会館の人たちは顔色を変え、右往左往していた。
私はその光景を、少し離れた場所から黙って見ていた。
正直に言う。
「やっぱりな」と思った。
これは事故じゃない。
自業自得だ、と。
──話は、昨日の朝に戻る。
朝7時。
雪は子どもの膝まで積もっていた。
低学年の息子は、ランドセルを背中に背負ったまま、一歩踏み出した瞬間に足を取られた。
ズボンの裾は一瞬で濡れ、靴の中に雪が入り込む。
転んで、起き上がれず、そのまま泣いた。
「行けない……」
息子は小さな声でそう言った。
私は道路を見た。
ここが通学路だ。
でも、道とは呼べない。
ただの雪の山だった。
町内会には、前日から何度も連絡していた。
「子どもが通れません」
「せめて朝だけでも、上学路を」
返ってくるのは、いつも同じ言葉だった。
「今、手が足りなくて」
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