レジでもらったレシートを見た瞬間、私はしばらく動けなかった。
4040円。
買ったのは、トイレットペーパー2袋と柔軟剤1本だけ。
たったそれだけで、4000円を超えていた。
高い。
いや、正確には「高い」だけじゃなかった。
胸の奥が、すうっと冷えていった。
ああ、物価が上がったから苦しいんじゃない。
私はもうずっと前から、この家にじわじわ搾り取られていたんだ。
車に戻って、ハンドルの前でそのレシートを握りしめた。
たかが日用品。
でも、その“たかが”を、いつも買ってきたのは私だった。
子どものティッシュ。
夫のワイシャツ用洗剤。
トイレットペーパー。
シャンプー。
柔軟剤。
ハンドソープ。
義母に頼まれたサプリ。
「ついでに買ってきて」と言われた細々したもの全部。
誰も、値段なんて気にしていなかった。
必要なときに、必要なものが家にあるのが当たり前。
でも、それを揃えるために、どれだけ私が値札とにらめっこしてきたか、誰も知らない。
いや、知ろうともしなかった。
家計が苦しいと言えば、夫は決まってこう言った。
「お前、ちょっと金の使い方が荒いんじゃない?」
義母も横から口を挟む。
「女はやりくりがうまくないとね。家庭を守るのが妻なんだから」
そのたびに、私は言い返せなかった。
私がもっと上手にやればいいのかもしれない。
私がもっと節約すればいいのかもしれない。
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