あの日のことは、今でも思い出したくない。
生後2か月の息子の歯ぐきを見たとき、白い小さな粒がいくつか並んでいた。
最初は私も少し驚いたけれど、すぐに「こういうものもあるのかな」と思って様子を見ていた。
でも、それを見た義母の反応は違った。
「これ、馬牙だわ」
「昔はみんな潰してたのよ」
「今のうちに取らないと、あとで歯がちゃんと生えないし、ミルクも飲みにくくなる」
そう言いながら、当然のように処置しようとした。
私は正直、その時点で嫌だった。
でも義母は、まるで私の方が無知だと言わんばかりの顔をしていた。
「昔からこうしてきたの」
「そんな大げさにしなくていい」
「母親になったなら、これくらい知っておかないと」
その言い方が、すごく腹立たしかった。
それでも私は、はっきり言い返せなかった。
初めての育児で分からないことも多くて、どこかで「本当にそうなのかも」と迷ってしまったからだ。
でも、あの時、もっと強く止めるべきだった。
ほんの少し目を離した隙だった。
息子が泣き出したと思って慌てて戻ると、義母がガーゼに消毒液をつけて、息子の口の中をこすっていた。
「ちょっと、何してるんですか!?」
私が叫ぶと、義母は平然とした顔で言った。
「だから馬牙を取ってるの」
「今やっとかないとダメなのよ」
息子は顔を真っ赤にして泣いていた。
口の中を無理やり触られて、明らかに苦しそうだった。
その時点で、もう嫌な予感しかしなかった。
そしてその夜。
息子の様子が急におかしくなった。
熱がどんどん上がっていく。
抱っこしても泣き止まない。
口の中を見た瞬間、血の気が引いた。
歯ぐきも口の中も真っ赤に腫れて、ところどころただれていた。
私は震えながら夫を呼び、夜の病院へ向かった。
診察室で事情を話した瞬間、医師の顔色が変わった。
「誰がこんなことをしたんですか?」
私は言葉に詰まりながら、「義母が……昔からそうしていたと……」と答えた。
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