年金生活を送る高齢の夫婦にとって、「もし配偶者が先に亡くなったら生活は成り立つのか」は切実な不安です。結論から言うと、夫婦のどちらか一方が亡くなると、遺族年金(遺族厚生年金)が支給されたとしても、世帯として受け取る年金収入は大幅に減る可能性が高いです。しかも、減り方は「妻が専業主婦の夫婦」と「夫婦共働き」の場合で大きく異なり、結果として共働き夫婦のほうが減少率が大きくなることがあります。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。ただし遺族基礎年金は、基本的に“生計を維持されていた子”がいることが前提となるため、すでに子どもが独立した高齢夫婦では対象になりにくいケースが多いです。そこで今回は、主に「遺族厚生年金」に絞って、2つのモデルケースで見ていきます。
まず、夫は老齢基礎年金6万5千円+老齢厚生年金13万円、妻は老齢基礎年金6万5千円(厚生年金なし)を受給しているとします。
世帯の月額年金収入は合計26万円です。
夫が生前に老齢厚生年金を受給していたため、妻は遺族厚生年金を受け取れます。遺族厚生年金は原則、夫の老齢厚生年金の4分の3です。
13万円×3/4=9万7,500円。
妻自身の老齢基礎年金6万5千円と合計すると、9万7,500円+6万5千円=約16万2,500円。
元の26万円から見ると、世帯収入は約38%減少します。
妻は専業主婦で老齢厚生年金がないため、夫は遺族厚生年金を受け取れません。よって夫の受給額(老齢基礎6.5万+老齢厚生13万=19.5万円)がそのまま世帯収入になります。
26万円→19万5千円で、減少率は25%です。
このケースでは、夫が亡くなると世帯収入の落ち込みが大きく、残された妻の生活が厳しくなりやすいことが分かります。
次に共働き夫婦を想定します。夫は老齢基礎6万5千円+老齢厚生13万円、妻は老齢基礎6万5千円+老齢厚生10万円を受給しているとします。世帯収入は合計36万円です。
記事はまだ終了していません。次のページをクリックしてください