事件は、あまりにも平和な午後に起きた。
場所は、駅前の交番前。
通行人も多く、
買い物帰りの人、学生、会社員、
みんな普通に歩いていた。
その中に、ひと組の親子がいた。
父親と、8歳の息子。
ここまでは本当に、
どこにでもある親子の帰り道だった。
息子は少しテンションが高かったらしい。
歩道の端をふらふら歩いたり、
急に走ろうとしたり、
父親の手を振りほどこうとしたり。
父親は怒鳴ったわけではない。
ただ、普通に注意した。
「危ないから、ちゃんと歩きなさい」
それだけだった。
本当にそれだけ。
だが、この一言が、
のちに交番前をざわつかせることになる。
注意された息子は、
一瞬だけムッとした顔をした。
そして、父親を見上げた。
父親もまさか、
このあと息子が“最強カード”を切ってくるとは思っていなかった。
次の瞬間。
息子は、通行人に向かって全力で叫んだ。
「この人知らん!」
父親、停止。
完全に停止。
さらに息子は続けた。
「助けて!ゆーかいされるー!」
その場の空気が、
一気に変わった。
さっきまで普通の親子だったはずなのに、
その一声で、周囲の視線が全部父親に集まった。
買い物袋を持った女性が振り返る。
学生が足を止める。
通りすがりのおじさんが眉をひそめる。
そして最悪なことに、
現場は交番の目の前だった。
あまりにも場所が悪すぎた。
本物の警察官が、
すぐに飛び出してきた。
「どうしました?」
父親は、顔を真っ青にして両手を少し上げた。
「いや、違います。父です。父親です」
もうこの時点で、
説明があまりにも弱い。
なぜなら隣の息子が、
まだ泣きそうな演技を続けていたからだ。
「知らん人やもん!」
父親の表情が崩れた。
たぶん心の中で、
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引用元:https://twitter.com/ikuji_jikenbo/status/2047646934232351078?s=46,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]