
TBSアナウンス部には
伝説の冷戦があった。
安住紳一郎と田中みな実。
2人は1年半、
まったく口をきかなかった。
発端は安住が
新人だった田中の仕事のやり方について
注意したことだった。
田中はへそを曲げた。
すれ違っても挨拶しない。
あからさまに避ける。
10年以上先輩の安住も態度を硬化させた。
「田中みな実の方から謝罪するか
話しかけてくるまでは
自分からは話しかけない」
そう決めた。
部署の異動がないアナウンス部で
毎日顔を合わせながら1年半が過ぎた。
安住はラジオでこう語っている。
「アナウンス部はこじれると長い。
部署の移動がないから」
そしてある日。
安住がデスクでせんべいを食べていた。
田中が近づいてきた。
「私にもお煎餅を1枚いただけますか」
その一言だった。
安住はせんべいを渡した。
2人の間にゆっくりと空気が戻ってきた。
TBS屈指の大先輩と
TBS屈指の後輩の冷戦を終わらせたのは
1枚のせんべいだった。
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