「好きでやってるんでしょ?」
そう言われた瞬間、私は笑うことすらできませんでした。
朝6時から夜中2時まで働いて、休みは月に5日。
それでも店長は、まるで何でもないことみたいに言ったんです。
「ケーキ作りが好きなら、このくらい普通だよね?」って。
私はそのとき、何も言い返せませんでした。
悔しかったわけじゃありません。
もうその頃には、疲れすぎて、自分がおかしいのか相手がおかしいのかも分からなくなっていたからです。
小さなケーキ屋でした。
町ではそこそこ評判で、ショーケースに並ぶケーキはいつもきれいで、お客さんは「かわいい」「おいしそう」と笑顔になる。
外から見れば、夢のある仕事だったと思います。
私も最初はそう思って入りました。
好きなことを仕事にできるなんて、幸せだと思っていました。
でも現実は違いました。
朝は真っ暗なうちに出勤して、仕込みをして、開店して、接客して、片付けて、翌日の準備をして、気づけば日付が変わっている。
電車なんてとっくにない。
帰宅しても、数時間寝たらまた出勤。
休みの日は出かける元気もなく、ただ眠って終わる。
手は荒れて、腰は痛くて、甘い匂いがする職場なのに、毎日息苦しかった。
それでも私は、自分に言い聞かせていました。
「小さい店だから仕方ない」
「職人の世界は厳しいもの」
「ここで辞めたら、ただ根性がないだけだ」
そう思わないと、続けられなかったんです。
一番つらかったのは、忙しさそのものよりも、全部が“好きでやってるんでしょ”の一言で片づけられることでした。
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