GW最終日の朝、携帯も持たずに飛び出した弟の車が――また消えた!
「まさか、また……」私は慌てて車の周りをうろうろ。父が電話越しに焦った声で叫ぶ。
「どこに行ったんだ、あの子は!」
息子のように心配で、手が震える。
弟の車は前回見つかった駐車場にあるはずなのに、姿はない。
私の頭の中で昨日の教訓がよみがえる――「もう、放置はダメだ!」
スマホもない、連絡もつかない、父も焦る。まさに三重苦。
弟は近くをうろうろしているはず。でも、どこを探せばいいか、全然わからない。
視界の隅で、他の車が通り過ぎる。心臓がドキドキして、全身の血が逆流するよう。
「はぁ……どうしよう、もう……」思わずため息をつく。
そこで、ひらめいた
私は紙を取り出し、車の窓にペタッと貼る。
「家に帰れ、ここに車あるよ!」
紙片に目立つ文字で書いた瞬間、頭の中に小さな安心が生まれる。
これなら、弟は一目で場所がわかるはず。
私は息を整え、少し後ろに下がって待機。
数分後――
「お、あった!」弟の声が聞こえた。
慌てて戻ってきた彼は、窓の紙を見てすぐに車の位置を理解したらしい。
目の前に弟が現れ、頭を下げながら「ごめん……ごめんね」と連呼する。
私は思わず笑った
「もういいよ、大丈夫。危ない思いしたのは私たちだから」
弟は照れくさそうに笑う。父もほっとした表情で肩を落とす。
紙一枚で、混乱の朝はあっという間に収束した。
私は車に乗り込みながら、心の中で静かに呟いた。
「こんな簡単な方法で、こんなにスムーズに解決できるなんて…」
弟は何度も頭を下げる。私は少しからかうように言った。
「次はちゃんとスマホ持って出てね」
「はい……」彼の声は小さく、でも素直だった。
朝の駐車場はいつもより静かで、日差しだけが優しく差し込む。
私たち家族は、ちょっとした騒動を経て、また小さな絆を感じた。
紙一枚が、こんなに人を安心させるなんて、思ってもみなかった。
弟が運転席に座る。私は助手席で深呼吸。
「さて、家に帰ろうか」
「はい……」
後ろから父の笑い声も聞こえる。
この瞬間、心が軽くなった。混乱も焦りも、すべてスッと消えた気分。
GW最終日、慌ただしい朝の出来事。
でも、紙片一枚で救えたんだ。
弟も私も、父も、そして小さな安心感も――
今日の朝は、ちょっとしたヒーロー気分で終わった。